ネイバーは2000年にネットゲームサイトの「ハンゲーム」を運営するハンゲームコミュニケーションと合併、NHNとなる。「ハンゲーム」は2000年代初めにネットゲームでは世界最大手となり、NHNの経営を支えた。
しかし、旧ネイバーを発祥とするポータル事業が成長したのと裏腹に、ネットゲームの競争激化で業績不振に。2013年にハンゲーム事業部門を会社分割してNHNエンターテイメントへ分離したのち、再びネイバーに社名変更している。
1999年に「ハンゲーム」を立ち上げたキム・ボムス氏は2006年にNHNを離れ、「LINE」のライバルとなるメッセンジャーアプリ「カカオトーク」を立ち上げた。一方、キム氏と二人三脚で「ハンゲーム」を開発したチョン・ヤンヒョン氏は「LINE」開発のリーダーとなる。
韓国と日本でそれぞれ首位を独走するメッセンジャーアプリの開発者は、いずれもネイバーと合併したハンゲームコミュニケーションの共同創業者だった。
実はネイバーは日本でもウエブ検索サービスを提供していた。2002年に立ち上げた「enjoy Japan」がそれ。日本初上陸の事業だったが、「Yahoo! JAPAN」に歯が立たず2005年にサービスを終了。2007年に日本での検索事業の再参入を発表し、ライブドアの検索サイト「Livedoor」用の検索エンジンとして採用されたが、利用は伸びず2013年にまたも撤退している。
ネイバーは2000年9月にLINEの前身となる日本法人のハンゲームジャパンを設立。「LINE」を開発するきっかけは2011年に発生した東日本大震災だったという。ネイバー創業者のイ・ヘジン氏が、被災者が家族や友人たちと連絡を取るのに苦労しているニュースをみて、誰にでも使えるメッセンジャーアプリの提供を思いついた。
イ氏が日本に滞在して陣頭指揮をとり、日本子会社のNHN JAPAN(現・LINE)が開発した。こうした開発経緯と日本が最大の市場であることから、「LINE」が日本発祥かそれとも韓国発祥かで見方は分かれている。