SPLENDID21 代表取締役 山本純子さんに聞く

企業力を総合的に診断することを専門に事業展開している株式会社SPLENDID21の山本純子氏。その分析・評価とはどのようなものか、またその分析・評価にたどりついた経緯、M&Aとの関わりなどを聞いた。

「戦略」が見えてくる分析が大切

—山本さんが経営するSPLENDID21は、企業力を総合評価する会社と聞いています。まず、経歴を教えてください。

大学在学中、公認会計士の受験を始めました。合格後、監査法人で監査業務に従事していたんですけど、すぐに辞めてしまいました。監査そのものがあまり好きになれなくて、「わからなさ」のようなものを感じていたんですね。今だからわかることなんですが。そこで15年ほど前、2004年に当社をつくりました。

—その「わからなさ」とはどんなことでしょう?

会計士の勉強をすると、試験科目の幅が広く、いろんなことがわかるようになりますし、監査では、いろんな知識が得られます。勉強にはなりますが、何となく「つかみどころ」のなさを感じていました。

その後「多変量解析企業力総合評価分析」という手法に出合い、それで「全体がつかめる」と確信を持ちました。ちゃんと右肩上がりになっているとか、きれいなV字回復を実現しているとか、定量的に見てもう破綻しているとか、そういう全体性が先に明確に見えて、そこから分析していくことが大事だと感じました。「わからなさ」の原因が「全体性」の欠如だと気づいたんです。

—多変量解析企業力総合評価分析だと通常の財務分析だけではわからない全体性が見えてくるということでしょうか。

そうですね。全体性が見えるとは、「戦略」が見えるということです。わかりやすく中小企業でイメージすると、「全体性を見」て、では「どこに問題があるか」をつかみ、たとえば、企業力を落としているのは、「生産効率が徐々に下がり続けていることが問題」となれば、さらに下位の指標を見ていきます。たとえば「1人あたり売上高が下がっている」となれば、原因の「仮説」を立てて検証していく。

すると、「社長さんが、そういう指標を見ないままで経営していた」とか、「社員が忙しくなったからといって1人増員した」とか、「営業と間接的な業務をする社員との最適な比率をまったく考えてなかった」とか、いろいろな原因に行き当たります。数字を根拠に問題点が特定できていくわけです。すると、突然見晴らしがよくなって、今後、取り組むべき戦略が見えてきます。

—その分析はいろいろな場面で活用できますか。

個別企業だけでなく、たとえば業界全体の分析なども可能ですね。たとえば飲食業界だと、どの業態がいちばんいいのか、どの地域がいちばんいいのか、がわかり「どこに、どんな店を出店したら最適なのか」という店舗戦略が立てられるということです。また、伸びている会社はどのようにやっているかがわかります。「総合的に」判断して伸びているかを把握できます。

—財務分析だけでは、そうしたことがわからないとお考えですか。

そうですね。財務分析だと、たとえば、「現時点では材料比率が高すぎる」といったことはわかります。対策としては、「材料比率を抑えるために相見積りをとりましょう」といったことになりますが、一方、戦略の話にはならない。それは管理の話にすぎません。

材料比率を下げることは決して間違ったことではないと思いますし、それが実現できれば、たぶん前よりは儲かるようになると思いますが、その企業にとって本当に大事なことは、その部分ではないかもしれない。「本当に大事な戦略はここだ」と特定できることがすごく興味深くて、「これを世の中にもっと広めたい」と思うようになったんです。戦略が読めると経営そのものが読める。それがいちばんですよね。