M&Aというと外資系ファンドによる敵対的な買収、いわゆる「ハゲタカ」のイメージが強く残る日本だが、最近は状況が大きく変わってきた。外資系であっても企業の経営に深くかかわり、業績を好転させて企業価値を高める事例が見受けられる。また、事業拡大の手段ととらえ、自社の弱い部分を補強する目的でM&Aに踏み切る企業が年々増加。後継者難の中小企業が事業継承のためにM&Aを活用する動きも急速に広がっている。

そんな中、東京大学法学部に在籍中の、のんちゃんは身近にM&Aを体験し、戸惑ってしまった。M&Aのことは大学の授業で知っていたものの、身内に起こった出来事にはなす術がなかったようだ。M&Aによって企業は強くなれるかもしれないが、従業員にとっては必ずしも歓迎すべきことでもない。M&Aをどう受け入れればいいのか。のんちゃんが遭遇した体験とは。

M&A ってチョコレート?

叔母「ちょっと~、のんちゃん!大変なことになっちゃった!」のんちゃん「そんなに慌ててどうしたの??」

叔母「会社が合併するらしいのよ…私クビかな?」のんちゃん「そう決まったわけじゃないでしょ」

叔母「合併って、ねえ。そんなに業績が悪い会社だとは知らなかったわ…困っちゃう」のんちゃん「M&A は別に、業績が悪いからする、ってことでもないんだよ」

叔母「えっ?チョコレート…?」のんちゃん「チョコレート…??あ!(笑) M&A っていうのは“Mergers & Acquisitions”の略、merger は合併、acquisition は買収って意味」

叔母「あら、そういうことね。そういえば M&Aって聞いたことあるような、ないような。」のんちゃん「会社がくっつくのにも、いろいろやり方があるんだって。今日ちょうど授業でやったの」

叔母「へぇ…じゃあ、教えてよ、のんちゃん先生」のんちゃん「えーっ、今日習ったばかりなんだけど…どう説明すればいいのかな。会社の種類を変えたり、他の会社とくっついたり、そうした組織のあり方を変化させることを全部ひっくるめて「組織再編」と実務では言うんだって。会社の種類を変えるというのは、例えば株式会社を合同会社にするとか。これは「組織変更」と呼ばれているの」

叔母「なんだか似たような言葉ねぇ」のんちゃん「うん。でね、他の会社とくっつくって言い方だと曖昧すぎたけど、合併のように組織同士が一つになる場合もあるし、事業の一部だけを譲渡することもあるの。あとは、親子会社になるって形も」

叔母「親子会社って、親が子の大株主ってことよね」のんちゃん「うん。大正解。あと、よくイメージされるのは吸収型の合併事業譲渡だけど、新設型、というのもあるんだ。もはや新しい会社を作ってしまう」