ラーメン店「山小屋」や「ばさから」などを展開するワイエスフード<3358>の企業存続に黄色信号が灯っている。 

同社は2016年3月期から直近の2020年3月期まで5年連続の赤字経営。2021年3月期も新型コロナウイルスの影響で苦しい展開が予想されており、通期予想は未定としている。 

このため2020年9月の株主総会で経営陣を刷新するほか、人員の再配置や固定資産の売却などで苦境を乗り切る計画だ。だが、一部の金融機関から支援が得られていないことなどもあり、営業債務や借入金返済などの資金繰りに懸念が生じているのだ。 

5年連続の赤字経営

同社は1970年に福岡県で開業したラーメン店がスタート。その後、食材や調味料の研究を重ね、1994年にフランチャイズ事業を目的に、ワイエスフードを設立。当初10数店だった店舗は直近の2020年3月期には148店(直営5店、フランチャイズ101店、海外40店、その他2店舗)に増加した。 

同社は、でき立ての豚骨ラーメンの美味しさを提供するため、各店でスープを仕込んでおり、麺もオーストラリア産小麦を中心に調合し、程よいコシとつるみ感を作りだすなどのこだわりを持つ。

その一方で業績は振るわず、出店費用の増加や貸倒引当金の計上などから2016年3月期に赤字に転落。その後も競争の激化、原材料価格や人件費の高騰などが重なり、5年連続の減収と、それに伴う営業損益、経常損益、当期損益の全段階での赤字に陥っている。 

そこで再建策として打ち出したのが経営陣の刷新。2020年9月7日に開く株主総会を機に新経営体制に移行し、「継続企業の前提に疑義を生じさせている状況の解消」に取り組むという。 

新体制では業績に大きく影響を与えている貸倒引当金の増加抑制のための施策を実行に移すとともに、客観性、透明性を高め、採算重視の経営を推進する。 

さらに間接部門から営業部門への人員再配置を進めることで採用を最小限にとどめ人件費を抑制するほか、資産価値の高い不動産を売却し、取得資金で借入金の返済や新規出店、店舗リニューアルなども実施する。 

創業50年 秘伝の味は守れるか

山小屋ラーメンは2020年5月に創業50周年を迎えた。企業存続のかかった、この厳しい時期に、創業当時の理念に改めて立ち戻り、誠実な経営に努めるという。コロナ禍の中、果たして創業時から続けてきた秘伝の製法による、独自の豚骨スープを守り抜くことはできるのだろうか。

【ワイエスフードの業績推移】単位:億円、決算月は3月

2016年

2017年

2018年

2019年

2020年

売上高

18.06

17.93

17.13

16.01

14.84

営業損益

△0.02

△0.37

△1.03

△0.71

△1.15

経常損益

△0.35

△0.43

△1.9

△1.44

△2.81

当期損益

△0.07

△1.05

△2.63

△0.76

△3.57

文:M&A Online編集部