大学発ベンチャーの「起源」(11)  Sportip

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Sportip(東京都港区)は整体師・トレーナー向けAI(人工知能)解析アプリを手がける筑波大学発のスタートアップ。2018年9月に設立、同大学との産学連携によって生まれた高度な姿勢推定技術を応用し、個人に最適化された整体やフィットネスなどの指導をいつでも・どこでも・誰でも受けられる世界を目指している。

筑波大学との産学連携で生まれた高度な姿勢推定技術を応用したアプリを開発(同社プレスリリースより)

持病が起業のきっかけに

Sportipを起業した高久侑也最高経営責任者(CEO)は、中学時代に第一肋骨と鎖骨の間にある部分の異常により引き起こされる「胸郭出口症候群」の影響で血行障害に悩まされ続けていた。打ち込んできた野球も、健康上の問題から大学時代に断念する。

ところが後になって、この病気が姿勢や動作などにより改善する可能性があることを知った。「自分の身体に応じたフォーム指導や練習メニュー・ウォーミングアップの指導を受けることができれば、大学でも野球を続けられたのではないか」。その思いが同社の設立につながったという。

高久CEOは筑波大学体育専門学群体育・スポーツ経営学研究室で学んだ知識を元に、アプリ開発に乗り出す。フィットネスアプリは以前から提供されていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大でジムの休業が相次ぎ、自宅での運動不足解消ニーズもあって利用者が増えている。

とはいえ、ほとんどのフィットネスアプリはインストラクターの「見本動作」を動画で流し、受講者はその動きをトレース(再現)するだけ。自分の動作が正しいかどうかも分からないし、自分に最適な運動であるとも限らない。ジムであればインストラクターによる個別指導が受けられるが、アプリでは難しい。

M&A Online編集部

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ナノティスは次世代の迅速検査デバイスの研究開発を手がける東京大学発の医療検査スタートアップ。2016年6月に設立、MEMS研究を手がける東大生産技術研究所の藤田博之研究室と共同で「どこでも誰でも迅速健診」できる商品開発に取り組んでいる。

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