ナノティス(東京都渋谷区)は次世代の迅速検査デバイスの研究開発を手がける東京大学発の医療検査スタートアップ。2016年6月に設立、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)研究を手がける東大生産技術研究所の藤田博之研究室と共同で「どこでも誰でも迅速健診」できる商品開発に取り組んでいる。

デジタルデバイスで病気を検知

MEMSとは機械要素部品、センサー、電子回路などを一つのシリコンやガラスの基板、有機材料などの上に微細加工技術によって集積化したデバイス(部品)のこと。

ナノティスは検査用デバイスを実装したマイクロ流体チップを開発。被験者が舐(な)めた同チップをスマートフォンのアプリでチップを撮影すると、1分以内に検査結果が表示されるという。その第1弾としてインフルエンザ検査キットの実用化に乗り出した。

通常、病院でのインフルエンザ検査は患者の鼻や喉の奥に綿棒を入れて粘膜を採取し、簡易キットや分析装置で判定する。患者の不快感や苦痛を伴う上に、結果が判明するのは早くても15分後だ。

インフルエンザ検査はシーズン累計で2000万人が受診し、ピーク時には1週間で200万件の検査が実施されているという。患者に苦痛がなく、わずか15分の1の時間で結果が分かるナノティスの技術は、医療現場の省力化とサービス向上につながる。

起業からわずか半年後の2016年12月には独バイエル薬品が革新的なデジタルヘルステクノロジーを支援するためのオープンイノベーションプログラム「Grants4Apps Tokyo 2016」で、ナノティスの提案した「インフルエンザ迅速検診システム」が大賞を受賞するなど上々のスタートを切った。