ペプチド研究所(大阪府茨木市)は世界に先駆けてペプチド合成試薬をビジネス化した大学発ベンチャー企業だ。約1000種類の研究用試薬を製造するほか、年間約500種類もの受託合成やペプチド医薬品のGMP(適正製造規範)製造などを手がけている。

医薬品で一躍「脚光」

ペプチド研究所の源流は大阪大学の蛋白質研究所。大阪大学では戦前から理学部と医学部を中心に蛋白質の研究が活発だった。1956年に文部省(現・文部科学省)から理学部附属施設として蛋白質研究所の設置が認められる。翌1957年に研究所でのペプチド研究を支援するため、任意団体の「蛋白質研究奨励会」(現在は財団法人)が発足。試薬となる生理活性ペプチドの合成と研究者への頒布に取り組んだ。

当初は大学の設備を利用してペプチド合成に取り組んでいたが、大学紛争の激化により自前の合成施設が必要になった。そこで、その設備投資費用を捻出するため、1977年にペプチドの製造・販売を事業展開する「株式会社ペプチド研究所」を設立したのだ。

医薬品を手がけるGMP棟(同社ホームページより)

ペプチド研究支援で「縁の下の力持ち」だった同社が脚光をあびるきっかけとなったのは、2006年に医薬品グレードの合成ペプチドが製造できるGMP施設を整備したこと。ちょうどその頃にペプチド医薬品が注目されるようになったのを受けて受注が急増し、製造施設はフル稼働の状態になったという。

一般的な飲み薬のような医薬品は分子量が少ないため「低分子医薬品」と呼ばれている。一方、バイオテクノロジーを駆使した抗体医薬品のような分子量の極めて多い「高分子医薬品」は特定の病巣となる分子にのみ効果があり、優れた薬効や副作用が少ないなどの特徴がある。半面、遺伝子組み換え細胞など利用しないと製造できないため、生産管理が難しく製造コストも高いといった問題がある。