日本国内の商品を巨大な中国マーケットで売り込みたい。しかし、現地法人を立ち上げて組織を立ち上げるのは一苦労。もっと手軽に売り込みをかけられないものか。多くの企業が抱えるそんな悩みに応えるのが、中国の消費者に向けて日本商品に特化した越境ECプラットフォーム「豌豆(ワンドウ)」だ。

運営するのは、元伊藤忠商事の翁 永飆氏が2014年に立ち上げたスタートアップ企業「Inagora(インアゴーラ)」。同社は2017年11月に伊藤忠商事やKDDI、SBIホールディングスなどから、76億5000万円の資金を調達した。累計調達額は132億円にのぼる。ベンチャーキャピタルなどの投資家からも一目置かれる企業の一つだ。

2018年8月には財務戦略や経営戦略、資本政策などを行うCFOに斉藤信平氏を招へいした。JPモルガン証券、ゴールドマン・サックス証券に計10年間勤務し、資金調達業務などに携わってきたファイナンスのプロフェッショナルだ。CFOに就任した斉藤氏に、今後の展開について語ってもらった。

マーケティングから物流までをワンストップで

ーどのようなビジネスモデルなのですか?

日本で仕入れたものを中国で販売する。当社のビジネスモデルは、一見すると非常に単純です。しかし、販売といっても事業は大きく3つに分かれます。1つが自社アプリを中心に個人への直接販売を行うB to Cモデル。2つ目が中小バイヤーやKOLなどを介するB to B to Cモデル。そして3つ目が外部プラットフォームへの卸売りを行うB to Bモデルです。

越境ECアプリ「豌豆(ワンドウ)」は、これら複数の販売モデルの元にある複数の販売チャンネルの一つという位置づけです。取り扱う商品の販売元との協力体制を強固にし、中国国内で販売する様々なチャンネルを開拓し、多岐にわたるチャンネルを一括運用して販売を推進しているのです。

ーマーケティングから物流までを押さえている背景には、そうした事情があるのですね。

現在、アイテム数は4万を超え、取引量が増えました。2019年4月から江東区の青海にあった物流センターを、千葉県の松戸に移転しました。5月から本格的に稼働をしています。4階建て約1万6000㎡の大型倉庫です。物流を安定させることで、目まぐるしく変化する中国マーケットに対応しやすい体制を整えました。