日新製鋼の完全子会社化を完了

オバコの子会社化はすでに昨年6月に完了。新日鉄住金は山陽特殊製鋼を子会社化した後、同社にオバコを譲渡する。山陽特殊製鋼は第三者割当増資で得た資金約670億円を投じてオバコの全株式を取得する。これにより、新日鉄住金(親)ー山陽特殊製鋼(子)ーオバコ(孫)の3社が垂直に統合する形となる。

2017年に子会社化(51%出資)した日新製鋼については株式交換により1月1日に持ち株比率を100%として完全子会社化した。これに伴い、日新製鋼は上場廃止に。今後、新日鉄住金は子会社の新日鉄住金ステンレス(4月から日鉄住金ステンレスに社名変更)を含む3社のステンレス鋼板事業を4月に統合するスケジュールだ。

日本製鉄は1934年に官営八幡製鉄所を中心に6社が合同して発足した国策会社。戦後の1950年、解体を命じられ、鉄鋼事業を継承して発足したのが八幡製鉄と富士製鉄。両社は1970年に合併し、新日本製鉄となったが、その際も社名が日本製鉄に戻ることはなかった。

新日鉄住金は粗鋼生産量で世界3位。トップはアルセロール・ミタル(ルクセンブルグ)、これに宝鉄鋼鉄集団(中国)が続く。2012年の新日鉄住金が発足当時、世界2位の粗鋼生産を誇り、アジア最大だったが、中国勢台頭で順位を落とした。2019年3月期の売上高見込みは6兆2000億円(前期は5兆6686億円)。

影を落とす元徴用工問題

「日本製鉄」発進に向けて、ここまで台本通りに事が運んでいるといえる。そうした中、懸念材料として急浮上しているのが韓国の元徴用工訴訟問題。韓国内の新日鉄住金資産の差し押さえが決定した。日韓の政府レベルの問題とはいえ、解決の糸口がまったく見えない状況下、新生・日本製鉄にとって経営のかく乱要因になる恐れもある。

文:M&Online編集部