M&A巧者の「日本電産」業務提携で新ビジネスを開拓

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日本電産の本社(京都市)

企業買収で業容を拡大してきた日本電産<6594>が、業務提携による新たなビジネスの開拓に乗り出した。

同社は2022年2月2日に、社会インフラや先進インダストリー向けのシステム開発を手がけるアドソル日進<3837>と、位置情報ソリューション事業で提携した。

日本電産は2016年に、フィンランドのQuuppa社から、屋内位置測位システムを輸入し、製造現場やヘルスケア、物流、スポーツ解析などの分野に納入してきた。

今回の提携では、このQuuppa社の屋内位置測位システムの位置データを活用して、工場内の作業時間の自動計測や工程分析などを行うほか、フォークリフトとの衝突回避や作業者の見守りといった安全強化支援にも取り組むという。

両社が共同でソリューション・パッケージを開発し、2月中に販売を始める計画だが、果たして日本電産とアドソル日進の関係は、提携のままなのか。それとも新たなM&Aにつながるだろうか。

GPSやRFIDの活用も

開発するパッケージは、所在探索や動線管理、禁止エリア立ち入りアラームなど、屋内位置情報ソリューションとして必要な機能が予め用意されており、その中から各顧客に必要な機能を選ぶことで、カスタマイズのためのコストや時間を最小限に抑えることができる。

日本電産は測位精度の向上や無人搬送車との連動などに取り組み、アドソル日進は両社が共同で企画したアプリの開発を担当する。

さらにアドソル日進はGPS(衛星利用測位システム)やRFID(電波を用いた自動認識技術)との併用や、セキュリティー強化やプライバシー保護などにも取り組む。

提携の次にくるものは

日本電産は2021年8月に、三菱重工業の子会社で工作機械や切削工具の製造を手がける三菱重工工作機械(現日本電産マシンツール、滋賀県栗東市)を子会社化したのに続き、2022年2月1日にはOKK(兵庫県伊丹市)による第三者割当増資を引き受け子会社化した。

日本電産マシンツールとOKKの技術を組み合わせることで、EV(電気自動車)用駆動モーターシステムの中核部品である歯車をはじめとする主要部品の内製化を進める計画で、戦略に沿ったM&Aが着々と進んでいる。

日本電産には、買収した企業を支えるために、周辺技術を持つ企業を2、3社買収するという考えがあり、日本電産マシンツールとOKKは構図に当てはまる。

アドソル日進との業務提携についても、事業の拡大や安定化などを考えれば同様の動きが見られる可能性は高そうだ。

文:M&A Online編集部

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日本電産は2022年1月末に、工作機械メーカーのOKKが実施する第三者割当増資を引き受け、子会社化する。同社は2021年8月に、三菱重工業の子会社・三菱重工工作機械(現日本電産マシンツール)を子会社化したばかりだ。

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