「吉野家」に回復の兆し 売却した京樽分を除くと増収に

alt
東京・神田の店舗

牛丼チェーン「吉野家」などを展開する吉野家ホールディングス<9861>に回復の兆しが現れてきた。同社は2022年1月12日に業績を上方修正し、経常利益、当期利益を当初予想よりも40-50%引き上げた。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止協力金や雇用調整助成金などの収入が増加したのが要因だが、同時に「吉野家の既存店売上高は堅調に推移している」とし、今回は据え置いた売り上げや営業利益についても前向きな見通しを示した。

同業の牛丼チェーン「すき家」などを展開するゼンショーホールディングス<7550>は、順調に業績を伸ばしており、コロナ越えが実現しつつある。吉野家はどこまでゼンショーに迫ることができるだろうか。

関連記事はこちら
強い「すき家」と「はま寿司」 ゼンショー当期黒字に転換

上振れの可能性も

吉野家が業績予想の修正と同時に発表した2022年2月期第3四半期決算では、売上高は前年同期比10.6%の減収となったものの、主な要因は子会社の京樽の売却によるもので「京樽の影響を除くと増収になった」としている。

四半期ごとの売上高をみると、第1四半期(2021年3-5月)の364億5000万円に対し、第2四半期(同6-8月)は378億2900万円、第3四半期(同9-11月)は391億9500万円と徐々に増加している。

利益に目を向けると、コスト削減に取り組んだ結果、粗利益率が上がっており本業での儲ける力が高まっていることがうかがえる。

2022年2月期第3四半期の、売上高から仕入れなどの費用を引いた粗利益率は66.5%で、前年同期の62.6%から3.9ポイント改善。さらに販売費、一般管理費が売上高に占める割合は、65.3%で前年同期の66.8%から1.5ポイント低下した。同社が売り上げや営業利益について前向きな見通しを示している理由はここにある。

新型コロナウイルスの変異株オミクロンの感染が拡大しているため、売り上げと営業利益の見通しは据え置いているが、2022年2月末までに大規模な行動規制などが無ければ上振れする可能性は高そうだ。

NEXT STORY

【2021年外食業界のM&A】スシローが京樽買収でテイクアウト強化へ

【2021年外食業界のM&A】スシローが京樽買収でテイクアウト強化へ

2021/12/31

新型コロナウイルス感染拡大の長期化に苦しんだ2021年の外食企業。集客に苦戦する外食企業各社は焼肉や寿司へと業態の幅を広げ、テイクアウトやデリバリーなど多角的な事業展開をするようになりました。その手法としてM&Aを積極活用する例が目立ちます。

関連のM&A速報