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“寅年”法人 最古は1878年設立の四国銀行、百五銀行

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公開日付:2021.11.30

 2022年の干支は“寅(とら)”。全国で寅年に設立された法人は20万7,099社で、全国の約330万法人のうち、十二支では最も少ない6.1%だった。
 寅年に設立された法人のうち、最も古い設立年は1878(明治11)年。同年に設立された法人は、四国銀行(高知)と百五銀行(三重)の地方銀行2行だった。
 寅年に設立された法人の産業別の最多は、サービス業他で6万4,137社(構成比30.9%)。また、都道府県別では東京都の4万9,699社(同23.9%)が最も多い。
 設立年は2010年が7万8,870社(同38.0%)と約4割を占め、月別では年度始めの4月が2万4,067社(同11.6%)と、それぞれ最多だった。
 上場会社3,886社のうち、寅年設立の法人は341社(同8.7%)で、丑年(419社)、亥年(373社)、子年(370社)に次いで、4番目に多い。
 2021年は新型コロナウイルスに翻弄された一年だった。10月に緊急事態宣言などが全面解除され、経済活動が本格的に再開された。そうした流れに乗り、2022年の経済は大きく飛躍することが期待される。

  • ※本調査は、東京商工リサーチの企業データベースから個人企業や倒産、休廃業・解散した企業などを除いた約330万社(2021年10月23日時点)から、寅年に設立された法人を対象に抽出し、分析した。
    設立年月は商業登記簿の記載に基づく。

寅年設立の上場企業は341社

 寅年設立の上場企業は341社で、丑年(419社)、亥年(373社)、子年(370社)に次ぐ4番目の多さで、全上場企業(3,886社)の8.7%だった。
 市場別では、最多が東証1部の199社(構成比58.3%)で、以下、ジャスダック59社、東証2部49社と続く。
 最古は、1878(明治11)年設立の四国銀行(高知)と百五銀行(三重)の地方銀行2行。
 次いで、1890(明治23)年設立が若築建設(東京)の1社。1902(明治35)年は、リーガルコーポレーション(千葉)と第一生命ホールディングス(東京)の2社。
 そのほか、1926(大正15)年設立は、ブルドックソース(東京)、イオン(千葉)など17社。1938(昭和3)年設立は、不二家(東京)など30社。1950年設立は、丸大食品、三菱商事、ジャノメ、コロナ、リンナイなど126社。1962年設立は、ツインバード工業、コメリなど27社。1974年設立は、キーエンス、王将フードサービス、ぴあなど30社。1986年設立はソフトバンク、サイバーエージェント、ZOZOなど29社。
 最も若い寅年の2010年設立の上場企業は35社で、このうち、純粋持株会社が13社だった。

©東京商工リサーチ

設立年別 業歴100年以上は88社、全体の0.04%

 設立年の最多は、2010(平成22)年の7万8,870社(構成比38.0%)。次いで、1998(平成10)年の4万6,723社(同22.5%)で、平成設立は12万5,593社と全体の6割(60.6%)を占めた。
 業歴100年以上の1914年以前に設立された法人は88社で、構成比はわずか0.04%だった。

©東京商工リサーチ

産業別 最多はサービス業他で、全体の3割

 産業別の最多は、サービス業他の6万4,137社で、全体の3割(構成比30.9%)を占めた。以下、建設業3万236社(同14.5%)、小売業2万6,811社(同12.9%)、製造業2万3,344社(同11.2%)、卸売業2万173社(同9.7%)、不動産業1万9,564社(同9.4%)、情報通信業1万401社(同5.0%)と続き、10産業のうち7産業が1万社以上だった。
 最少は農・林・漁・鉱業の2,502社(同1.2%)。
 業種別では、最多が食堂,レストランの6,055社(同2.9%)。次いで、経営コンサルタント業が5,178社(同2.5%)で、この2業種が5,000社以上だった。

©東京商工リサーチ

 寅年の1878(明治11)年、東京商法会議所(東京商工会議所の前身)が国内初の商法会議所として設立された。また、東京株式取引所・大阪株式取引所が相次いで設立。1890(明治23)年には第1回衆議院議員総選挙が行われ、経済・政治で現代への一歩が踏み出された。
 また、1914(大正3)年に東京駅開業。1926(大正15)年に大正から昭和に改元。1998(平成10)年に長野オリンピック・パラリンピックが開催。2010(平成22)年に改正貸金業法が完全施行され、総量規制(借入額の制限)、上限金利が引き下げられた。
 2021年は新型コロナウイルス感染拡大で、緊急事態宣言などが幾度となく発令され、コロナ禍の影響を受けた年だった。しかし、10月に緊急事態宣言などが全面解除され、経済活動が再び動き出した。2022年は『壬寅(みずのえとら)』で、冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力にあふれ、華々しく生まれることを表している。コロナ禍から新たに動き出し、明るい日々を期待させる。

東京商工リサーチ「データを読む」より

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