入院や死亡のリスクが87%減少、コロナ治療薬レムデシビル「オミクロン」にも有効

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新型コロナウイルス感染症治療薬「レムデシビル」の投与により「新型コロナウイルス感染症に起因する入院」と「原因を問わない死亡」のリスクが 87%減少することが分かった。

米国の製薬会社ギリアド・サイエンシズ(カリフォルニア州)が最終となる第3相臨床試験で確認したもので、同社ではこの結果を踏まえ、入院前を含む疾患の早期段階におけるレムデシビルの使用に向けた取り組みを進めるとともに、飲み薬タイプの治療薬の臨床試験にも乗り出す計画だ。

レムデシビルは、新型コロナウイルスのRNA に取り込まれて、ウイルス複製を停止させるため、現在感染者数が急増している変異株のオミクロンに対しても有効である可能性が高いという。

入院前に使用でき、飲み薬タイプとなれば、患者はもちろん、医療機関の負担も軽くなる。新型コロナウイルスがインフルエンザ並みになる日は徐々に近づいているようだ。

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進行リスクが高い1264人が対象

同臨床試験は肥満、高血圧、糖尿病、高齢(対象者の3分の1が60歳以上)などの疾患の進行リスクが高く入院していない患者1264人を対象に、2グループに分けレムデシビルと偽薬を投与した。

その結果、3日間レムデシビルを点滴静脈注射したグループは、偽薬を投与したグループよりも28日目までの入院や死亡のリスクが87%低かった。

レムデシビルはエボラ出血熱治療薬として使用されていた薬で、入院患者向けの新型コロナウイルス感染症治療薬として日本のほか世界50カ国で承認や緊急使用が認められている。

アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロンなどの変異株に対し、レムデシビルの有効性が確認されており、オミクロンも増殖の仕組みが他の変異株と類似していることから、効果が期待できるという。

モルヌピラビルに次ぐ飲み薬となれるか

日本ではすでに、軽症から中等症向け飲み薬タイプの新型コロナウイルス感染症治療薬「モルヌピラビル」が使用できる状態にある。

肥満、高齢(61歳以上)、糖尿病、心疾患などの重症化リスク因子を一つ以上持ち、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の入院していない成人患者を対象に、5日間投与する第3相臨床試験では、入院、死亡リスクが30%ほど低下している。

レムデシビルが、モルヌピラビルに次ぐ、入院前の早期段階から使用できる飲み薬として承認されれば、一段と治療法の幅が広がる。ギリアドでは、すでに米国食品医薬品局に試験データの提出や臨床試験の申請を行っている。

文:M&A Online編集部

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