米国の大手製薬会社ファイザーの日本法人ファイザー(東京都渋谷区)は2022年1月14日に、同社が開発中の新型コロナウイルス感染症治療薬「PF-07321332/リトナビル錠」の製造販売承認を厚生労働省に申請した。
承認が得られれば200万人分の治療薬を日本に供給することで、ファイザーと日本政府との間で、すでに合意が成立している。
大手製薬会社メルクの日本法人MSD(東京都千代田区)は2021年12月3日に、新型コロナウイルス感染症の治療薬「モルヌピラビル」の製造販売承認の申請を行い、同月24日に軽症、中等症の患者向けの飲み薬としては国内初となる承認を取得した。
同様の期間で申請が認められれば、2月にも2番目の軽症、中等症患者向けの飲み薬として「PF-07321332/リトナビル錠」を使用できるようになりそうだ。
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「PF-07321332/リトナビル錠」は、新型コロナウイルスが増殖の際に必要とする酵素の作用を阻害することで、ウイルスの増殖を抑える。
第2/3相臨床試験で、重症化リスクの高い新型コロナウイルス感染症患者を対象に「PF-07321332/リトナビル錠」と偽薬を比較したところ、症状が現れてから3日以内であれば、入院や死亡のリスクが89%下がり、症状が現れてから5日以内であれば、同リスクが88%下がることが分かった。
また、副作用などの有害事象が現れる割合は偽薬が24%であったのに対し同剤が23%で、ほとんど変わらなかったという。
すでに承認を得ているメルクの「モルヌピラビル」は、新型コロナウイルスが増殖する際に必要なアミノ酸に、構造が似ている別の物質をウイルスに取り込ませることで増殖を抑える。
重症化リスクの高い軽症、中等症の成人患者を対象に行った試験では「モルヌピラビル」と偽薬を比較しところ、入院、死亡リスクは30%低下した。
副作用などの有害事象が現れる割合は、偽薬が40%(副作用は11%)であったのに対し、「モルヌピラビル」が35%(同12%)で、ほとんど変わらなかったという。日本政府は約160万人分を購入することを決めている。
2番目の飲み薬が登場すれば、安心感は高まりそうだ。
文:M&A Online編集部
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