新型コロナウイルスが飲食店やホテル、観光業などを中心に深刻な影響を及ぼしています。特に飲食店への影響は甚大。世間の自粛ムードは、12月の忘年会に次ぐ繁忙期の歓送迎会シーズンと重なりました。

その影響はグルメメディアを運営するぐるなび<2440>にも波及しそう。2017年ごろから契約店舗数が減少していた同社は、第2の収益柱としてWeb予約課金の拡大を進めていました。2018年7月に楽天<4755>と提携。ぐるなびのWeb予約と楽天スーパーポイントを連携させ、ユーザーの利便性を高めていたのです。ぐるなびの目論見を挫くようにコロナショックが到来しました。

2020年3月期の業績にも少なからず影響を与える可能性があります。

この記事では以下の情報が得られます。

・ぐるなびの業績
・楽天と提携した理由
・ビジネスモデル

売上が前期比34%増のスポット型サービスに打撃

有料加盟店数推移
有料加盟店数が減少するぐるなび(グラフは決算説明資料より)

まずはぐるなびのビジネスモデルと、その変遷を説明します。

同社の売上は主に2つのサービスで支えられています。「ストック型サービス」と「スポット型サービス」です。ストック型サービスは、ぐるなびへの掲載費用を飲食店から受け取るものです。月々1万円からとなっており、2019年12月末で有料加盟店舗数は56,067です。

この有料加盟店舗数は2017年ごろから減少傾向にあります。2019年12月の店舗数は前年同期比4.3%減(マイナス2,541店舗)となりました。ストック型サービスの頭打ちを背景に注力しているのが、スポット型サービスです。

スポット型サービスは主にWeb予約課金で支えられています。ぐるなび経由でWeb予約が入るごとに、飲食店から手数料を得るものです。2020年3月期第3四半期のスポット型サービスの売上高は、前期比34.2%増の35億円でした。

ぐるなびは加盟店の減少が目立ち始めた2017年以降、スポット型サービス拡大に注力します。決定的になったのが、2018年7月の楽天<4755>との資本・業務提携契約の締結。楽天はぐるなび株9.6%を取得しました。その後、楽天は出資比率を15.0%まで引き上げています。

楽天の狙いは、ポイント経済圏を飲食業界へと拡大することにあります。ぐるなびは、楽天ポイントの恩恵を受けることで、Web予約件数拡大に期待しました。2018年10月に楽天IDとぐるなびの連携が完了。楽天ポイントが付与される仕組みを構築しました。それにより、Web予約数は増加します。

ぐるなびWeb予約数推移
ぐるなび2020年3月期第3四半期決算説明資料より

Web予約課金拡大に動くぐるなびは、2018年10月にInstagramとレストラン予約機能で提携しました。Instagramのプロフィール上に「席を予約する」というボタンを追加。そこからぐるなびのWeb予約フォームへと遷移できるようになりました。2020年2月27日には、トリップアドバイザー上でぐるなびのWeb予約が完結できる仕組みを構築しています。

Web予約の利便性を上げて課金しようとする動きは、Tポイントと連携する食べログ、Pontaポイントのホットペッパーも同様に見られます。各メディアと提携し、戦略的かつ先行して進めているのが、ぐるなびです。