投資ファンドのポラリス、江戸一の全株式をコンサル会社へ売却

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「すたみな太郎NEXT」吉祥寺店

焼肉と寿司の食べ放題「すたみな太郎」の(株)江戸一、株主が再び変更

公開日付:2019.08.26

 バイキングレストラン「すたみな太郎」を展開する(株)江戸一(TSR企業コード:300608039、足立区)の株主が変更したことがわかった。
 江戸一は投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループ(株)(TSR企業コード:296134120、千代田区、以下ポラリス)の傘下で経営再建に取り組んでいたが、7月31日付でポラリスから派遣されていた社外監査役2名を含む4名の役員が退任。新たにパチンコホール経営会社から役員3名が就任した。2018年9月に代表取締役社長に就任したばかりの都村毅社長は留任した。

 江戸一はロードサイドなどで寿司と焼肉の食べ放題バイキングスタイルで急成長し、全国に150店舗以上を展開していた。
 しかし、同業との競合激化などから業績が伸び悩み、2014年8月にポラリス傘下のファンドが旧:江戸一を吸収合併するかたちで新:江戸一である当社を設立。以来、ポラリス主導で経営再建に取り組んできた。
 だが、その後も業績は軟調に推移し、2019年3月期は売上高約200億円に対し、4億8,700万円の最終赤字を計上。5期連続の赤字で自己資本比率は8.9%と10%を割り込んだ。
業績改善が遅れ、江戸一に対するポラリスの再建方針に注目が集まるなか、ポラリスは8月上旬、ホームページ上で江戸一からのイグジット(投資の回収)を明らかにした。
 これによると2019年7月をもってキャピタルソリューション(株)(TSR企業コード:297271393、千代田区、以下キャピタル社)に全保有株式を売却した。キャピタル社は経営コンサル大手の山田コンサルティンググループ(株)(TSR企業コード:293181233、千代田区、東証1部)の100%子会社で投資、ファンド事業を手掛けている。

(c)東京商工リサーチ


都内のパチンコホール経営会社の傘下へ

 一方、7月31日付で江戸一の役員には、パチンコホール経営(株)ダイエー(TSR企業コード:152040684、東京都中央区)の社長以下、2名の役員が就任した。ダイエーは2007年4月、負債636億円を抱え東京地裁に民事再生法を申請。その後、再建に取り組み、2011年1月に民事再生手続が終結した。東北から北関東を中心に、32店舗を展開している。
 関係先によると、江戸一の全株式はキャピタル社を経由し、ダイエーのグループ会社で投資や資産管理などを担当する会社に売却、事実上ダイエー傘下に入った。

 江戸一は現在、個別に主要取引先などへ説明にまわっている。江戸一の担当者は、東京商工リサーチの取材に、「ポラリスからダイエーにオーナーチェンジしたことは事実だが、対外的なアナウンスは検討中で、現状は詳細を公開できない。現時点で営業面や今後の事業展開などに大きな変更はない」とコメント。
 ポラリスが江戸一の再建に着手して5年。ようやくイグジットを迎えたが、江戸一は未だ最終赤字を脱していない。再建は道半ばで異業種のダイエーに後事を託される格好となった。経営権の変更が成功に導くのか、ダイエーの手腕が問われる。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年8月27日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

東京商工リサーチ「データを読む」より

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