すき家と吉野家が順調に業績を伸ばしている。上期の既存店の売上高は、すき家が前年同期比2.9%増、吉野家が同6.9%増となり、消費税率が引き上げられた10月以降の2カ月間も平均ですき家が同1.9%増、吉野家が同7.8%増となった。 

こうした状況を受け、すき家を運営するゼンショーホールディングス(HD)<7550>と、吉野家を運営する吉野家ホールディングス(HD)<9861>の両社の通期業績は当初予想通り増収増益を達成できる見通しだ。 

人手不足に伴う人件費の上昇や食材価格の上昇など厳しい環境下にある外食業界だが、牛丼の歩みはスローながらも着実なようだ。

そろそろ次ぎのM&Aも 

すき家はゼンショーHDの牛丼カテゴリー(なか卯などを含む)に含まれており、上期(2020年3月期第2四半期)の売上高は1121億5800万円で前年同期と比べ4.0%増えた。既存店の伸びに加え、店舗数が68店(87店出店、19店退店)増え2959店となったことから増収を達成できた。 

吉野家HDの主力となる吉野家部門の上期(2020年2月期第2四半期)の売上高は547億1400万円で、同7.6%の増収となった。増収に伴い部門利益も大きく伸びており、同64.6%の増益を達成した。店舗数は1店(19店出店、18店退店)増え1211店だった。 

通期は消費税率引き上げの影響がほとんど見られないことから、当初の予想を実現できる見通しで、ゼンショーHDの2020年3月期は売上高が前年度比8.8%増の6613億6700万円、営業利益は同26.6%増の238億4800万円と増収増益見通し。 

吉野家HDの2020年2月期は売上高が同2.8%増の2080億円、営業利益は同約9.6倍の10億円の見込み。営業利益の伸びが大きいのは2018年2月期に人件費や原材料費の上昇によって、大幅な減益となっていたためだ。 

ゼンショー傘下のココス

ゼンショーHDは1982年にすき家を開店したあと、2000年にファミリーレストランのココスジャパンを、2007年にパスタ専門店のサンデーサン(現ジョリーパスタ)を、2008年に和食レストランの華屋与兵衛を、2013年にスーパーのマルエイを傘下に収めるなど積極的なM&Aで成長してきた。

吉野家傘下のはなまる

吉野家HDは1899年の創業。2000年に持ち帰り寿司などの京樽がグループに加わり、さらに2006年には、うどんのはなまるが、2008年にステーキなどのアークミールがグループに加わることで、現在の体制を作り上げた。 

ゼンショーHDは2018年11月に持ち帰り寿司店をフランチャイズで展開する米Advanced Fresh Concepts Corp.(カリフォルニア州)を子会社化して以来1年ほどM&Aを実施していない。 

吉野家HDも2019年3月にラーメン店運営のウィズリンクホールディングス(広島市)を子会社化して以降、8カ月ほどM&Aの実績はない。 

M&Aで成長してきた同社だけに、そろそろ次の案件がでてきてもおかしくはなさそうだ。

【ゼンショーHDと吉野家HDの業績と店舗数】

比較項目ゼンショーHD吉野家HD
2019年度の売上高(予想)6613億6700万円 2080億円
2019年度の営業利益(予想)238億4800万円 10億円
2019年度上期の牛丼部門売上高1121億5800万円 547億1400万円
2019年度上期末の牛丼店数 2959店 1211店

※2019年度はゼンショーHDが2020年3月期、吉野家HDが2020年2月期

文:M&A Online編集部