ロードサイド型ラーメン店に強みを持つ幸楽苑ホールディングス<7554>が、2019年12月から2020年4月までに51店舗を閉店します。店舗数の合計は2020年3月期第2四半期の段階で484。10%以上の店舗を5カ月という短期間で閉鎖することになります。

台風19号の影響で郡山工場は操業停止に追い込まれ、250店舗への食材供給が滞りました。また、フランチャイズ契約を結ぶ「いきなりステーキ」が急速な客離れを引き起こすなど、逆風が吹き荒れる幸楽苑。大量閉店の背景には何が潜んでいて、業績にどのような影響を与えるのでしょうか?

この記事では以下の情報を得ることができます。

・大量閉店に至った理由
・閉店の業績への影響   

2018年3月期に大幅減損処理したが…

幸楽苑は2018年3月期に、28億3800万円もの減損損失を計上しました。これは、2016年9月ラーメンの中に異物(指の先端)が混入してしまったことに端を発します。本社側は当初、これを「爪」との認識を示し、世間の反感をかいました。

この期の既存店の客数は上期平均が昨対比で97.7%。異物混入が世間で騒がれた後の2016年11月は客数が昨対比で86.3%まで減少しました。こうした状況を踏まえ、190店舗の投資対効果を見直して大幅な減損へと至ったのです。

2019年3月期の営業利益率、純利益率は改善されました。利益重視の経営体制に変更するなど、抜本的な立て直し策を図ったためです。

〇幸楽苑ホールディングス業績推移(百万円)

2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期予想
売上高37,80438,57741,26942,000
営業利益147△721,6372,100
営業利益率0.4%-4.0%5.0%
純利益154△3,2251,0091,100
純利益率0.4%-2.4%2.6%


2018年3月期まで、売上を優先した営業手法により、「餃子無料券」の配布などを継続していました。店舗当たりの利益が落ちていたのはそのためです。異物混入によって客足が落ちることを危惧した、現場側の切なる願いがあったのでしょう。

これまでの施策を見直して前期の業績は上々。今期は「さあこれから」というタイミングでした。