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ファミリーレストラン「ココス」はなぜ上場廃止になるのか?

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東京・吉祥寺の店舗

「すき家」を全国展開するゼンショーホールディングス<7550>の連結子会社ココスジャパン<9943>が、2020年2月18日付で上場廃止となります。ゼンショーは傘下のレストラン「ジョリーパスタ」も完全子会社化し、2019年7月30日付で上場廃止にしていました。ゼンショーはレストラン事業の売上6割を占めるココスとジョリーパスタを、2019年1月に設立した「日本レストランホールディングス」の完全な指揮下に収めました。

30%の株価下落を招いた株主優待の廃止は完全子会社化の布石か

ココスのデリバリー
出前館と提携してデリバリーを開始(画像はプレスリリース)

ココスを上場廃止にする理由は非常に単純です。今期の営業利益率は0.6%にまで落ち込む予想となっており、業績の悪化が深刻。統合会社が迅速に意思決定をできるような体制にし、退店や出店、リニューアルなどを迅速に行うだけでなく、食材の大量仕入れや供給網の拡大により、業績回復のスピードと精度を上げるのです。

ココスはジョリーパスタに比べて業績が芳しくありませんでした。2社の直近の2019年3月期の業績を比較すると一目瞭然です。

2019年3月期 売上高 営業利益 営業利益率 原価率
ココスジャパン 574億3900万円 7億8900万円 1.4% 33%
ジョリーパスタ 211億5000万円 17億9300万円 8.5% 28%

決算説明資料より筆者作成

売上こそココスはジョリーパスタの2倍以上ですが、営業利益は1.4%と業界平均の3.6%を大きく下回っています。原価率も適正水準の30%を超えています。ゼンショーは2020年3月期第2四半期のレストラン売上高が、前期比28億円マイナス(4.4%減)の619億円となりました。主要因としてココスの既存店売上高が減少したことを挙げています。

ココスが不採算店を抱え、原価を価格に転嫁できない課題を抱えていることがわかります。早く既存株主を引きはがしてテコ入れを図りたいのです。

ココスを上場廃止にして、完全子会社化する動きは2018年から顕著に表れていました。時系列で追いかけるとこのようになっていました。

2019年 ココスジャパンの主な動き
1月11日 ココスとジョリーパスタを統合するための新会社「日本レストランホールディングス」設立
4月15日 株主優待の廃止を発表
4月15日 6%の自社株買いを発表
11月7日 上場廃止を発表

ココスは4月15日に株主優待の廃止を発表しました。15日に2,238円だった株価は、18日におよそ30%安い1,601円まで下落しています。株価が下落したタイミングで自社株買いも行っています。外食企業の優待廃止が大幅安を招くことは自明の理。自社株買いは株価下落のタイミングで市場に溢れた株を買い集めていたのです。

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