相乗りタクシーの実証実験が国内で初めて1月22日から東京都内で始まる。相乗りは道路運送法で原則禁止されているが、タクシー業界は利便性の向上につながるとして規制緩和を要望している。相乗り解禁の第一歩となるのだろうか。一方、海外では米ウーバー・テクノロジーズに代表されるように、自家用車で乗客を有料で運ぶ「ライドシェア」が広まっているが、こうした流れに対して機制を制するタクシー業界の思惑もありそうだ。

大和と日交の約950台が参加

 同じ方向に向かう人をスマホアプリで募り、相乗りすることでタクシーを割安に利用できる-。こんなうたい文句で、国土交通省は東京23区と武蔵野市、三鷹市をエリアとして3月11日までの50日間実証実験を行う。大和自動車交通グループ4社(649台)と日本交通グループ11社(300台)が参加する。

 利用者は配車アプリをインストールし、会員登録する。アプリ上で乗車地と降車地を設定し、同じ方向に向かう人とのマッチングが成立すると、タクシーが迎えに行く。運賃は登録したクレジットカードで支払う。運賃は相乗りする利用者の最初の乗車地から最後の降車地までの走行距離に応じて算定された金額が利用者ごとの乗車距離に応じて割り振られる仕組みで、乗車前に金額が分かる。

運賃は単独乗車より3割ほど安く、タクシー会社は実入りアップ

 日中時間帯、異なる地点から相乗りするケース(有料道路料金は除く)をみてみよう。例えば、東京・新橋から三鷹に向かうAさんと虎ノ門から吉祥寺に向かうBさんが相乗りする場合、Aさん単独だと8770円かかるのが6190円、Bさんは単独だと7570円かかるのが5310円となる。1人で乗車するより、ざっと3割安くなる計算だ。合計運賃は1万1500円となるので、タクシー会社にとってもAさんを単独で乗せた場合に比べ、3割ほど実入りが多くなり、メリットは大きい。

 国交省では終電後の帰宅、タクシーが捕まりにくい雨の日、空港へのアクセス、塾や病院への送迎など様々な利用シーンを想定している。ただ、バスやで鉄道ならいざしらず、乗用車に見知らぬ人同士が乗り合わせる経験はまずないといっていい。ぎこちなくても挨拶程度は交わすべきか、など戸惑いもありそうだ。