現行法で、相乗りは“つめこみ”とみなされる違法行為

乗り場の光景も変わってくる?

 日本では一度に不特定多数の乗客を乗せることは道路運送法の規定で禁止されている。一度に1人または1グループの乗客しか乗せることができない。つまり、1運行=1契約というわけだ。

 深夜、終電がなくなった郊外の駅でタクシーの運転手が同じ方面に帰る客を2人、3人集めて同乗させる光景をたまに見かけたりするが、こうした「つめこみ」と呼ばれる乗合行為は法律に触れる。また、自家用車(白色ナンバー)に客を乗せるのが「白タク」だが、営業許可を持たないのでそもそも違法だ。

 ちなみに、タクシー待ちをしている乗客同士が同じ方面なので一緒に乗りませんかなどと申し合わせて同乗する「相乗り」は違法行為ではない。

 今回、国交省が行う実証実験はタクシーのシェア。同じ相乗りでも、海外で急速に普及しているライドシェアとは一線を画す。ライドシェアは自家用車のシェアであり、時間が空いた自家用車の運転手との相乗り。

ライドシェアの火付け役、米ウーバーも日本では苦戦中

 こうしたライドシェアの世界的ブームの火付け役は配車サービスの世界大手、米ウーバー・テクノロジーズ。70カ国以上でサービスを展開する。1日の利用が延べ1000万回を超えるともいわれる。ただ、迎え撃つ側の既存のタクシー業界による抵抗は世界各地でおしなべて強いのが実情だ。自家用車による一般ドライバーの参入は死活問題にほかならない。

 日本ではどうか。ウーバーは2014年、日本で事業開始したが、法律の壁がたちはだかり、本来のライドシェアに踏み込めず、東京都内でのハイヤー・タクシー配車サービスにとどまっている。2016年5月に京都府の京丹後市内の一部地域で、交通過疎地対策を大義名分として、市民ドライバーとウーバーの配車システムを組み合わせた輸送サービスのスタートにこぎつけた。同じ年の2月には富山県南砺市で実証実験を計画したが、地元のタクシー業界の反対などで中止に追い込まれる苦渋を味わった。

 もっとも世界的にライドシェアは有望市場。ソフトバンクグループ<9984>は2017年4月、中国の配車サービス最大手、滴滴出行(ディディ・チューシン)に約5650億円出資したほか、同年末には、本家本元のウーバーの株式15%を約8700億円で取得することで最終合意したと報じられたばかり。