ウォーレン・バフェットの会社に投資する「光通信」とは

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光通信<9435>は、光通信は連結子会社175社、持分法適用会社137社を擁する企業集団です。2000年代初頭のITバブル期に携帯電話販売店を急激に増やしたことから携帯ショップのイメージが強いですが、現在は3つの収益柱(法人事業、SHOP事業、保険事業)のうち1つにすぎません。

2019年3月期の売上は13%増加して過去最高益を更新。営業利益は25%、当期利益も15%増加しました。2020年第3四半期決算も、前年同期比で売上・営業利益ともに上回っています。

出典:光通信 2019年3月期通期 決算説明資料より
出典:光通信 2019年3月期通期 決算説明資料より

光通信の強みは顧客基盤の厚さ。法人事業からの利益を「ストック利益」とし、その利益成長を重視してきたからです。今後も法人事業での新規展開を通じ、収益を伸ばすことを目指しています。

創業者・重田康光氏が31歳で店頭公開

光通信の創業者は、代表取締役会長である重田康光氏です。1988年に株式会社光通信を創業しました。事業の中心を携帯販売にし、1996年に史上最年少(当時)31歳のときに株式を店頭公開させました。

ITバブルの波に乗り、1999年には米経済誌フォーブスに、250億ドル(約2兆6,000億円)の資産を持つ世界第5位の富豪として紹介されました。しかし、2000年に携帯電話の架空契約をおこなっていたことが発覚。24万円まで上昇していた株価は3,600円台まで暴落。光通信は、「20日連続ストップ安」という不名誉な東証記録も持つことになってしまったのです。

しかし、近年では業績も改善し、その資金で多くの上場企業に資金を投じています。重田氏も2014年にはフォーブスで国内11位の大富豪に順位を回復しており(世界663位)、客観的にみても復活して成功しているといえるでしょう。

バフェット氏の会社に投資

光通信は、多くの上場企業に投資しています。2019年3月末時点の主な銘柄は以下の通りです(2019年3月期末有価証券報告書より)。

・光通信が保有する主な銘柄

銘柄名 公正価値
バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway Inc.) 248億7,300万円
(株)ビジョン 159億3,400万円
(株)フルキャスト 114億4,700万円
 日本電信電話(株) 103億7,400万円
イーレックス(株) 89億4,500万円

2019年3月末時点で約2,257億円の投資をおこなっていますが、約10%をバークシャー・ハサウェイに投資しています。バークシャー・ハサウェイは、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏がCEOを務める会社です。ニューヨーク証券取引所に上場しているので、株式を買うことができるのです。

光通信の保有株であるビジョンは、Webマーケティング支援とWi-Fiルーターレンタルで急成長しています。また、フルキャストとは業務提携をしています。さらに、日本電信電話(NTT)とは取引関係にあります。

光通信の玉村剛史副会長は、2017年の東洋経済のインタビュー(当時は社長)で、株式に投資しているのは「割安な株を買い進めているだけで、経営を支配する意図はない」と話しています。

バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェット氏も割安な株を長期保有するという投資方針を持っています。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏を意識し、投資に注力している可能性が高いといえるでしょう。

今年の決算発表は2020年5月18日を予定しています。コロナ禍でどんな発表になるのでしょうか。

文:M&A Online編集部

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