レオパレス21<8848>株の売買で話題を集めたブラックロック・ジャパンが、今度はZOZO<3092>株式を新規に保有(保有割合は5.58%)した。3月6日に提出した大量保有報告書で分かった。
それによると保有の目的は純投資(投資一任契約に基づく顧客の資産運用および投資信託約款に基づく資産運用目的)となっており、ZOZOの経営にかかわる意思はないという。
株式はブラックロック・ジャパン(保有割合1.02%)のほか米国のブラックロック・アドバイザーズ・エルエルシー(同1.24%)や、英国のブラックロック・インベストメント・マネジメント(ユーケー)リミテッド(同0.19%)などグループ企業8社で共同保有した。
国別では米国4社、日本、英国、ルクセンブルク、アイルランドがそれぞれ1社ずつだった。
ここ1年間のZOZO株式の大量保有の増減については、ZOZOの前澤友作社長が2018年5月に1.93%を売却したあと、7月に5.15%買い増し、保有割合を41.16%にしたほかは、今回のブラックロック・ジャパンによる案件だけで、前澤社長以外の保有者による売買は2017年6月に1.06%を売却したベイリーギフォード・アンド・カンパニー以来となる。
ZOZOの2019年3月期は無料配布した体型採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT」の利用者が予想を下回ったことや、広告事業でも計画通りに事業が進まなかったことから、2019年1月31日に売り上げ、利益とも下方修した。営業利益は前年度比18.9%の減益となる。
一方、ZOZOの株価は2018年7月ごろから下落の傾向が続いていたが、ここ1カ月ほどは業績下方修正のマイナス材料を跳ね除け上昇局面にある。保有の目的を純投資とするブラックロックは、狙い通りにZOZO株で利益を上げられるだろうか。
ブラックロックはニューヨーク、ロンドン、サンフランシスコ、東京、香港など世界25都市に運用拠点を構え、2018年12月31日時点の運用資産残高はグループ全体で5兆9700万ドル(約655兆円)にのぼる。
レオパレス21株式についてはアパートの施工不良問題が業績の足を引っ張る事態に陥った2018年秋以降に、新規で5.41%の株式を保有(2018年12月6日に大量保有報告書を提出)し、年が明けて1.20%を売却(2019年2月21日に大量保有報告者を提出)。現在の保有割合は4.21%となっている。
またブラックロックは2018年5月に不正融資問題が発覚したスルガ銀行についても、2018年9月6日に売却し、保有割合を5.04%から2.82%に引き下げたが、その後買い増し、現在は保有割合を不正融資問題の発覚前よりも多い5.63%としている。
文:M&A Online編集部