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「有事は買い」⁉ 感染症リスクと株式相場の関係

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有事は買い……⁉  

戦争や自然災害などでよく引き合いに出される相場格言。これは今流行っている新型肺炎を巡る感染症リスクにも通用するのだろうか。過去の感染症発生時とその後の株価について検討してみた。まず、結果は以下の通りである。 

◎感染症が深刻化した後の株価の騰落率(%)   

 病名 1カ月後 3カ月後 半年後
SARS 8.6 16.4 21.5
鳥インフルエンザ ▲0.2 2.8 10.1
豚インフルエンザ 10.9 19.7 40.0
MERS ▲0.3 2.2 8.6
エボラ熱 ▲0.1 2.4 4.4

※筆者作成

SARS時は「イラク戦争」というもう一つの有事も

◆SARS
2003年に発生した「重症急性呼吸器症候群」のことで、厳密に言えば、これとほぼ同時期に「イラク戦争」というもう一つの有事が発生していることを忘れてはいけないと思う。結果的に株価は半年で2割以上上昇している。

◆鳥インフルエンザ
実は幾度となく発生しているのだが、2005年に東南アジアで猛威を振るったものが世界的にも一番インパクトがあったのではないかと記憶している。日本ではニワトリが感染源として馴染みが深いが、オオハクチョウやカモも発生種の一つである。株価は半年で約1割の上昇。

余談だが、トリドールホールディングスはその名の通り、設立当初は「焼鳥居酒屋」がメイン事業であったが、この鳥インフルエンザを契機に一気に「丸亀製麺」へシフトしていく。 

豚インフル禍、半年後に4割の株価上昇

◆豚インフルエンザ
記憶に新しいところで言えば、2009年に新型が世界的に流行したのは皆様も記憶にあるのではないだろうか。流行初期に感染死亡率が非常に高いと報道されたが、これは事実とは異なり現在では季節性のインフルエンザと同様の扱いとなっている。

当初の「パンデミック」がオーバーシュート(過剰反応)で株価に織り込んでしまった要因もあり、その反動もあってか株価は半年後に約4割の上昇という大幅高を演じた。今現在も、新聞・テレビやネットで豚インフルエンザに関する話題を見聞きする機会が皆さんも頻繁にあるのではないでしょうか。 

◆MERS
中東呼吸器症候群と呼ばれる。2016年5月、中東及び韓国で感染が一番拡大したコロナウイルスである。起源は「ヤマコウモリ」とされているが、感染方法は不明である。韓国が初期対応に失敗し感染が広まった。株価については大きく下落しなかったことから、押し目買いの出来、不出来がその後のパフォーマンスを決めることとなった。

◆エボラ熱
ウイルス性出血熱の一つで、治療開始が遅れると致死率は50~80%とも言われている。アフリカ大陸中部で発病者が出た地域を流れる「エボラ川」から命名された。株価は世界的な金融緩和も支えとなり上昇し、結果的には買い場であった。

感染症にも当てはまる有事の経験則

「有事」を巡る経験則では、株安はむしろ買いである。これは、感染症にも当てはまる。今回の新型肺炎がいつ収束に向かうかはまだ誰にもわからない。その「不安」に振り回されず、世界景気を冷静に判断することが出来れば、私たちが取るべき投資行動は決まってくるはずだ。

最後に、私個人のお勧めとしては下げた時の日本株でも良いのですが、下がらないREIT(不動産投資信託)に、より魅力を感じていることを書き加えておきたいと思います。

文:晴れの国トレーダー  

M&A Online編集部

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