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外食・フードサービスの2021年(2021年1月1日~12月21日)のM&A 件数、金額ともに過去10年間で最低に
2021年(2021年1月1日~12月21日)の外食・フードサービス業界は、コロナ禍の厳しい風にさらされ続けた。M&Aの発表件数は2年連続で減少し、2012年以降の10年間では最低となった。
一方のアダストリアは「グローバルワーク」のほかに「ニコアンド」「ローリーズファーム」「レプシィム」「ジーナシス」「レイジブルー」などの多くのブランドを展開しているものの、さらなる成長のためにはアパレルの枠を超えて生活のあらゆる場面で多様なライフスタイルを提案することが重要と判断。
その一つとしての試みとして、アダストリアイートクリエーションズを設立し、飲食事業に挑戦していた。すでに、米国のスムージー(果物や野菜で作る濃厚な飲み物)専門店ジャンバジュースの日本での独占展開権を取得しており、事業拡大に注力している。
さらに飲食事業の成長を加速させるためには、他社との提携やM&Aが不可欠と判断し、ゼットンの子会社化に踏み切った。
アダストリアはゼットンが実施した第三者割当増資を約12億9200万円で引き受け、その後のTOB(株式公開買い付け)で、51%の株式を取得(TOBによる買付代金は15億8400万円)した。
このM&Aで飲食事業成長のための準備が整ったことになり、互いのノウハウやネットワークを活用して、出店の加速や海外展開、新規事業の開発などに本腰を入れることなる。
さらに、成長戦略に沿った動きも出てきた。アパレルや雑貨、家具、飲食を展開するニコアンドの「niko and ... COFFEE」では、ハンバーガーチェーンを運営するドムドムフードサービス(神奈川県厚木市)とコラボレーションした新商品「ダシマチーズ」の販売に乗り出した。
「ダシマチーズ」は、ドムドムハンバーガーのヒットメニューである厚焼きたまごを、「niko and ... COFFEE」の看板メニューであるニコパンでサンドしたもので、チーズソースや明太子をトッピングしてある。
店舗では「行こう!食べよう!着てみよう!」をキャッチフレーズに、ハンバーガーとアパレルとのコラボを展開する。ファッションと飲食の融合を目指す、こうした動きは今後活発化しそうだ。
これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。
2021年(2021年1月1日~12月21日)の外食・フードサービス業界は、コロナ禍の厳しい風にさらされ続けた。M&Aの発表件数は2年連続で減少し、2012年以降の10年間では最低となった。