経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)<6740>が2020年1月31日、投資顧問会社・いちごアセットマネジメント系ファンドの「いちごトラスト」から1008億円の出資を受けると発表した。JDIは2019年4月に台湾や中国の企業連合から支援を取り付けたものの、業績の悪化に歯止めがかからないことから支援スキームが「空中分解」。同9月末時点で1000億円を超える債務超過に陥っていた。

さらには5億7800万円もの着服事件で懲戒解雇された経理担当幹部(故人)による「不適切会計処理」の告白といった不祥事まで飛び出す始末。一時は会社更生法の申請まで検討したというJDIに救いの手を差し伸べた、いちごアセットマネジメント。大胆な意思決定を下した同社のスコット・キャロン社長とは、どんな人物なのか?

日本の不動産・再生ファンドを買収

いちごアセットマネジメント株式会社のキャロン社長

一般に「いちご」といえばキャロン氏が会長を務め、主にJ-REITの運用をはじめとする総合不動産サービス事業やメガソーラー発電所などのクリーンエネルギー事業を手がける、いちご<2337>が知られている。同社は、いちごアセットマネジメントとの資本関係はないが「いちごトラスト」の出資先の1社だ。

現在のいちごの前身は、2000年に設立された不動産ファンド運営のピーアイテクノロジー。同社が2001年に不動産投資や再生ファンド、IPOファンドなどを手がける旧アセット・マネジャーズを吸収合併し、新生「アセット・マネジャーズ」として再スタートを切った。

2005年にはイーアセット投資法人(REIT)を設立し、この年のうちに同社が東京証券取引所に上場を果たしている。アセット・マネジャーズは不動産流動化のさきがけとして西武百貨店池袋店の流動化に成功し、ディスカウントショップのキムラヤ(現・ワイズセレクト)を再生するなどの実績で注目された。

ところがアセット・マネジャーズの業績は急速に悪化し、2008年8月に第三者割当増資で約50億円を調達する。これに応じたのが、いちごアセットトラスト(現・いちごトラスト)だ。いちごアセットトラストのアセット・マネジャーズに対する出資比率は44.49%となり、同社再生のため代表執行役会長に就任したのがキャロン氏である。