米投資会社フォートレス・インベストメント・グループ傘下のサッポロ合同会社(東京都港区)は16日、不動産・ホテル事業を手がけるユニゾホールディングスに対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ユニゾはTOBに賛同している。ユニゾをめぐっては旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)の敵対的TOBが進行中だが、これに対抗する第三者による友好的TOBとなる。いわゆる「ホワイトナイト(白馬の騎士)」が登場する構図となった。買付代金は最大1368億円8118万円。

米フォートレスは世界的な不動産投資ファンドを運営し、日本を含めて世界14カ国に拠点を置く。2017年に買収によってソフトバンクグループの傘下となった。不動産・ホテル業界の競争が激化する中、ユニゾの成長を加速するためには、完全子会社化による非上場化の必要があると判断した。フォートレスは不動産運用のノウハウや人材、世界的なネットワークなどの経営資源を投入する。

TOB価格はユニゾ1株につき4000円。HISが設定したTOB価格3100円を3割近く上回る。HISによるTOB公表前日(7月9日)のユニゾ株の終値1990円に対して101.01%とほぼ倍のプレミアムを上乗せした。TOB価格の4000円は提示のあった複数候補者のうち最高値だったという。

買付予定数の下限は発行済み株式の3分の2に相当する2281万3500株。フォートレス側は全株式の買い付けを目指している。買付期間は8月19日~10月1日までの30営業日。決済の開始日は10月8日(代理人は大和証券)。

16日のユニゾ株の終値は前日比565円高の4165円に急騰し、今回のフォートレスのTOB価格をも上回る。

HISはTOBで現在4.79%のユニゾ株の所有割合を45%に高める計画(買付代金は約426億円)。TOB期間は23日までだが、TOB開始直後から市場価格がTOB価格を超える高値圏が続き、予定数の買い付けが困難な状況となっている。

ただ、「ホワイトナイト」として名乗りを上げたフォートレスとしてもTOB価格の4000円を超える高値がこのまま続くようであれば、TOB成立が厳しくなる可能性が出てくる。

ユニゾはお盆前の3連休中の11日に、HISの敵対的TOBに対抗し、複数の候補者からより良い条件の買収提案を受ける可能性があると発表していた。