大学発ベンチャーの「起源」(55)  レラテック

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豊田通商と資本業務提携を結ぶ

日本では陸上風力発電の実績はあるが、洋上風力発電は欧州に比べて20年遅れているとも言われている。国内に洋上風力に特化している企業はなく、専門の研究者も少ない。レラテックは「技術的な空白」になっている国内洋上風力で、スペシャリストとして市場のリードを狙う。

2021年11月には神戸大学イノベーションの取り次ぎで、神戸信用金庫と日本政策金融公庫から資金調達に成功した。「風況観測」向けのドップラーライダー(レーザー光を上空に発射し、大気中の目に見えない塵や微粒子からの散乱光を受信して風向・風速を計算する)観測機材の設備投資に充てる。

資金調達で最新の観測装置を導入している(同社ホームページより)

2022年4月にはトヨタ自動車系総合商社の豊田通商<8015>と資本業務提携した。これによりレラテックが手がける風況観測事業で、効率性と確実性が高い機器の調達が可能に。併せて高度な風況観測に必要となる資金調達についても支援を受け、費用面で高額となる大型観測プロジェクトにも参画できるようになる。

豊田通商はドップラーライダーや同機器に使用する燃料電池の販売を手がけており、風力発電事業者向けのサービスを有利に展開するためレラテックとの提携に踏み切った。

地球温暖化防止やロシアのウクライナ侵攻による石油・天然ガスなどの値上がりから、太陽光発電よりも安定的な洋上風力発電への期待が高まっている。レラテックが活躍する舞台は、今後ますます広がりそうだ。

文:M&A Online編集部

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