大学発ベンチャーの「起源」(47)  ブルックマンテクノロジ

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ブルックマンテクノロジ(浜松市)は静岡大学発のイメージセンサー開発ベンチャー。2006年2月に同大電子工学研究所の川人祥二教授が主導した文部科学省プロジェクト「浜松地域知的クラスター創成事業」での研究成果をベースに起業した。

「誰もできないこと」「誰もやらなかったこと」をやる

「誰もできないこと」「誰もやらなかったこと」にこそ自社の仕事があると信じ、常に最高の技術を追求するのが同社のモットー。イメージセンサーの「画像のきれいさ」と、CMOS回路の「高速性」を融合する技術が強みだ。例えば瞬間を確実にとらえる超高速度イメージセンサーや真っ暗なシーンをきれいに映し出す超高感度イメージセンサー、フルハイビジョンを超える超高解像度イメージセンサーなどの先端技術に取り組んでいる。

代表的な技術は「CMOSグローバル電子シャッター」。「全画素一括同時露光」とも呼ばれ、同技術を使うことで、動きひずみのない画像を取得することができるという。

同社製品に搭載されている「列並列AD(アナログ・デジタル)変換回路」は、イメージセンサーのコア技術だ。特に高速・高ビット分解能に適した巡回型AD変換方式を採用することで、アプリケーションや性能に応じた最適な回路を開発。この技術を元に、次世代のイメージセンサーに必要となる「超高速」「低ノイズ」「低消費電力」を実現している。

半導体で気を吐く「画像センサーの雄」

「超低ノイズ化技術」では、センサー内での高速スイッチング動作による多重サンプリング技術を活用。ランダムノイズを極限まで抑えた超低ノイズ性能を実現した。

こうした最先端の研究が認められ、文部科学省主催の「大学発ベンチャー表彰2014」で「科学技術振興機構理事長賞」を受賞した。

自社独自の高い技術を生かし、「カスタムセンサー開発」「超高感度ならびに超高速度汎用センサ開発・販売」「民生品市場への技術ライセンス供与」という三つの事業をうまく組み合わせて推進したことが高く評価されている。

イメージセンサーは半導体分野で、日本が高い国際競争力を維持している数少ない分野の一つ。ブルックマンテクノロジの研究開発は、わが国のものづくり力の「最後の牙城」を守る一翼を担っていると言えそうだ。

文:M&A Online編集部

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