大学発ベンチャーの「起源」(39) Heartseed

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Heartseed(東京都新宿区)は慶應義塾大学医学部発の再生医療ベンチャー。同社最高経営責任者(CEO)である福田恵一同大医学部教授が、自ら手掛けてきた心臓再生医学の研究を実用化するために起業した。

微小組織の再生移植で心不全治療の「革命」起こす

心臓移植に代わる心不全の治療法を開発したいと考えた福田教授が、心筋再生医療の研究を1995年に開始。骨髄中の間葉系幹細胞が心筋細胞に分化できることを発見し、ヒトES細胞やヒトiPS細胞から心筋細胞を分化誘導する基盤技術を完成した。

実用化のめどが立った 2015年11月に、医学部教授のまま同社を設立して社長に就任した。これまでに同社は82億円もの資金調達に成功し、社員数も約40人にまで増えている。

Heartseedが研究開発を進めている「他家iPS細胞由来由来心筋球(HS-001)」は他家iPS細胞から心臓のポンプ機能に重要な心室筋を高純度で作製するもので、生着率を高めるために「心筋球」と呼ぶ微小組織にして投与する。安全かつ効率よく心臓の心筋層内へ投与できる専用投与針とガイドアダプターを用いて心筋球を移植する仕組み。

移植した心筋球が患者の心筋と電気的に結合することで、体内の電気信号と同期して収縮力を生み出す。同時に移植した細胞が血管新生因子を分泌し、移植した周辺に新たな血管を形成することで、低下した心機能を回復する効果が期待できるという。

心臓再生医療の比較。Heartseedは左側、他社は右側の方式でそれぞれ研究を進めている(同社ホームページより)

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大学発ベンチャーの「起源」(38) イノカ

大学発ベンチャーの「起源」(38) イノカ

2021/08/07

イノカ(東京都港区)は、東京大学発の人工知能(AI)・モノのインターネット(IoT)ベンチャー。創業者の高倉葉太最高経営責任者(CEO)が同大工学部を経て同大学院学際情報学府を修了後、2019年4月に「環境移送企業」として立ち上げた。

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