大学発ベンチャーの「起源」(41) RTi-cast

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RTi-cast(仙台市)は東北大学発の災害情報ベンチャー。同社最高技術責任者(CTO)を兼務する越村俊一東北大災害科学国際研究所教授の研究成果をもとに、防災環境事業大手の国際航業(東京都新宿区)やNEC<6701>、緊急地震速報受信機を手がけるエイツー(東京都品川区)など民間企業との産学共同で2018年5月に設立した。

地震発生から20分以内に津波被害をリアルタイム予測

2011年3月に発生した1万8425人もの死者・行方不明者を出した東日本大震災の反省から、従来の「海岸に何メートルの高さの津波が来るか」に留まっていた津波予想を充実。より早く、より詳細な浸水域と被害を予測し、迅速に情報を配信するシステムを目指している。

その仕組みはこうだ。マグニチュード7以上の強い地震が発生して津波注意報や警報が出ると、システムが自動起動する。気象庁の震源情報などをもとに、NECのスーパーコンピューター(スパコン)「SX-ACE」で津波の到達状況や内陸部の浸水被害をシミュレーションし、津波の高さや到達時間だけでなく、浸水範囲など街や人間への被害を瞬時に予測・報告する。

具体的には沿岸部10mメッシュ(最小単位)の分解能で、10分以内に津波の浸水範囲と深さを予測。そのデータと、建物や道路などの空間情報を組み合わせ、10分以内に建物被害を推定する。地震発生から建物被害の推定完了まで、合計で約20分しかかからない。従来は計算に数日かかっていた。地震が発生してから津波被害を推定するので、事前予想に比べて精度が高いのが特徴だ。地震発生時にリアルタイムで被害を予測できるのは同社だけだという。

「トリプル10」の高速高精度予測を実現した越村CTO(総務省ホームページより)

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大学発ベンチャーの「起源」(40) グリラス

大学発ベンチャーの「起源」(40) グリラス

2021/09/04

グリラス(徳島県鳴⾨市)は徳島大学発のフードテックベンチャー。同大学院社会産業理工学研究部で昆虫の発生・再生と進化のメカニズムを研究する渡邉崇人助教が最高経営責任者(CEO)、三⼾太郎准教授が最高技術責任者(CTO)に就任して立ち上げた。