9500万人の会員のデータを活用したマーケティング戦略を目論む楽天

楽天も会員数を着実に伸ばしています。

2015年12月2016年12月2017年12月
楽天会員ID数7800万8700万9500万

楽天カードも同じく猛烈な勢いで会員数を伸ばしています。2018年1月には1500万を超えました。楽天カードは比較的審査が甘く、誰でも入れるカードの代名詞。これにより、楽天の商圏拡大に大貢献したことになります。

決算説明資料より「楽天カード会員数推移」
2017年度決算説明資料より「楽天カード会員数推移」

楽天はスーパーポイント活用で、消費者の心を巧みにつかんでいます。例えば、「ポイントが通常8倍」というスーパーポイントアッププログラムを楽天ブックスに導入したところ、注文件数は昨対で33%アップしました。ユニーク購入者数も35%増加し、ポイント還元キャンペーンでが買意欲に火をつけています。同社は会員をできるだけ多くして、ポイントをエサにジャンジャン買い物をさせたいのです。

ぐるなびとの提携により、ECサイトとは無縁だった潜在顧客が取り込めます。飲食店が窓口となって会員になるケースが出てくるからです。さらに、飲食店とのポイントキャンペーンを打ち出すことで、楽天の会員を送客できます。それが成功すれば、飲食店が再びぐるなびと契約するインセンティブが働きます。

前述の通り、ここまではステップ①にすぎません。次は顧客データの蓄積と活用が始まります。同社は2017年8月に「楽天データマーケティング」を設立しました。楽天の顧客データをCRMに強味を持つ電通がおいしく料理し、マーケティングノウハウを確立するというものです。社長に就任したのは、Google日本法人の代表を務めた経験のある有馬誠氏。顧客の嗜好などの細かな情報を拾い上げ、ユーザーの意図に沿った広告を提示。自社のECサイトや金融商品、旅行、飲食店などへと送り込むという算段です。

楽天IDは「楽天経済圏」の核。それを囲い込む要素として楽天スーパーポイントがあります。このポイントプログラムは、楽天内のどのサービスを使ってもポイントが貯まる仕組み。事業の垣根を越えているため、顧客にとってはメリットが高いです。ポイントを活用する場を広げ、顧客IDという楔を打つこと。楽天はぐるなびを手中に収めることにより、ローカルビジネスというオフライン上からも会員を集めることに成功したのです。

なお、今回の出資により、楽天のぐるなび株の保有割合はおよそ10%。2番目の株主になったことになります。楽天からぐるなびに役員を1名送り込み、関係を深めることとなります。

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