menu
Social media

ビジネス

サブスクリプション飲食の嚆矢となるか、favyとフィル・カンパニーの提携

Cover 6d8b97d8 793e 45a1 b794 87e3b5f80262

コインパーキング上に店舗を開発する「フィル・パーク」のフィル・カンパニー<3267>と、飲食キュレーションメディアのベンチャー企業favyが、2017年12月25日に資本業務提携を締結しました。favyがフィル・カンパニーを引受先とした第三者割当増資を実施するというもの。favyは飲食店の集客メディア事業から脱皮して、実店舗運営に力を入れています。

その中核をなすのがサブスクリプション型の飲食店。サブスクリプション型とは、「月々2,000円でコーヒー飲み放題!」といった定額制の店舗のことです。米国が先行していたこのモデルは、元Googleの社員が東京・自由が丘に「ALPHA BETA COFFEE CLUB(アルファベータコーヒークラブ)」をオープンするなど、飲食ベンチャー界隈で注目を集めていました。

定額制の飲食店は、個店よりも大規模展開をした方がメリットが高いです。favyはフィル・カンパニーの駐車場開発の波に乗って、飲食店の常識をひっくり返すことができるかもしれませんね、という話です。

この記事では以下の情報を得ることができます。

➀サブスクリプション型飲食店の特徴とメリット・デメリット

➁favyという会社について

coffee mafia
coffee mafia バターコーヒー

ストック型の収益が得られるという飲食店の非常識

サブスクリプションという言葉はもともと、「購読」を意味します。雑誌の定期購読などで使われる言葉です。それが、ビジネスの世界で定額を意味するものとして、頻繁に使われるようになりました。その背景として、企業が売り切りで儲けを出すことが難しくなり、少額を月々払い続けるビジネスモデルに多くの企業がシフトチェンジしたことがあります。

パソコンソフトや音楽配信、動画配信などが典型的な例です。

では、サブスクリプション型飲食店とはどのようなものか。二つに分けて説明します。

・日本ではどのようなお店があるか
・メリット・デメリット

一つ目から。日本で本格的に知られるようになったのは、自由が丘の「ALPHA BETA COFFEE CLUB」です。月7,500円でコーヒーが飲み放題になるというお店。Googleの元社員がオープンしたカフェだけにメディアの露出も高く、飲食業界関係者の耳目を集めました。

創業者の大塚ケビン氏は、月額1,500円~でコーヒー豆を会員に届けるサービスをすでに行っており、固定ファンを獲得。そこから実店舗事業に乗り出して成功を収めています。

六本木のワインレストラン「Provision」は、一人月額15,000円でほぼすべての飲食代が含まれるシステムを10月から導入しています。「ラーメン野郎」は月額8,600円で1日一杯のラーメンが食べられるサービスを開始。その他、定額で「うまい棒」が食べ放題になる、「スナックうまい棒」では、月額540円でランチが食べ放題になるプランを提供しています。

favyが月額2,000円でコーヒー飲み放題のお店「coffee mafia」を西新宿にオープンしたのは、2016年10月。日本で初めての定額制コーヒースタンドです。favyはフィル・カンパニーと提携したことで、昼は定額制のコーヒースタンド、夜は天ぷらバルという「coffee mafia/YORU MAFIA」を、2018年1月フィル・カンパニー本社が入居するビルにオープンする予定です。

サブスクリプション型飲食店は、少しずつユーザーの認知度が上がり、店舗側に負担がかからない決済システムが誕生するなど、インフラも整いつつあります。

次にサブスクリプション型飲食店のメリット・デメリットを見てみましょう。

収益モデル集客人材
メリットストック型で安定収益が得られる店舗・地域ごとのマーケティングを行う必要がない店舗ごとの売り上げ計算簡略化により、店長が不要
デメリット収益の瞬発力が低下会員集めのための大がかりな認知活動が必要会員・会員費の管理を行うチームが必要

サブスクリプション型飲食店の最大のメリットは、ストック型ビジネスモデルに転換できることです。

飲食店は典型的なフロー型のビジネスです。フロー型ビジネスとは、その都度商品を販売して収益を得るモデル。飲食店、美容院、ネイルサロンなどでは、顧客がその都度お金を払っています。店舗側はある程度の売上予測はできますが、月ごとに増減があります。

その反対がストック型のビジネス。不動産賃貸、料理教室、ジム、ウォーターサーバーなど、毎月定額でお金を払っています。経営が安定しやすく、収支バランスが見えやすいことが特徴です。

飲食店はフロー型ビジネスの典型例。

売上は通常、「客単価×席数×回転数×稼働率」で算出します。例えば、客単価800円、席数20、昼に3回転、夜に2回転で、80%稼働するカフェがあったとします。

800円×20席×5回転×80%=64,000円/日×30日=192万円

月に192万円の売上です。ここから経費が引かれるわけです。食材原価が60万円、人件費が78万円、家賃が20万円、光熱費が10万円、設備投資リース等が10万円。

経費総額178万円

利益192万円-178万円=14万円

飲食店の利益は10%出れば良い方と言われています。この概算が7.2%ですのでちょっと悪いくらい。ですが、多くの飲食店に当てはまる数値といえるでしょう。手間がかかる割に、利益が極めて薄いのがよくわかると思います。

ただでさえギリギリのラインでやっている飲食店。これが天候不順、競合店の出店などの影響を受けると大変です。回転数・稼働率が落ちてたちまち赤字になります。飲食業界の1年閉店率はおよそ35%、3年で70%と言われています。

しかも、来店客数は年を重ねるごとに減るのがセオリーです。

サンマルクホールディングス
サンマルクカフェ月次売上情報

この図はサンマルクカフェの月次の売上情報です。既存店の売上を見てください。2015年、2016年、2017年と100%を割っている月がほとんどです。すなわち、多くの月で昨対割れしている(顧客が離れている)ことを意味しています。

サブスクリプション型飲食店は、この経営課題を飛び越えることができます。回転数も客単価も気にする必要がありません。「お客さんが来るのを待つ」という、飲食店のあり方そのものが変わります。

フードビジネス

注目の記事

Thumb a74d3946 3b82 4cfc b75b 60ab0694085b

「やっぱりあさくま」対「いきなり!ステーキ」の仁義なき戦い

テンポスホールディングスの子会社あさくまが、新業態「やっぱりあさくま」をオープンしました。リブロースステーキが1グラム当たり6.9円と株式市場を賑わす「いきなり!ステーキ」を相当”オマージュ”した様子。新業態を起爆剤に上場の夢を果たせるでしょうか。

Thumb be79808e 2eb5 42f4 bca2 a7d95b8b488d
Thumb d90165c3 76c8 4aea 9ba4 1e345cdb709c
Thumb 856a8cb3 bfab 4046 a298 284e67090c4c