ポラリス・キャピタルが100億円で買収したチーズタルト屋「BAKE」は順風満帆のようです

プライベート・エクイティファンド(以下:PEファンド)の「ポラリス・キャピタル・グループ(以下:ポラリス)は、洋菓子店を運営するBAKEを買収しました。日経新聞の記事によると、買収額は100億円強。このニュースを「ファンドのよくあるIPO狙いの案件じゃん」と決めつけてはいけません。目を凝らしてよく見ると、ポラリスの本気度と、BAKEの有望さが見えてくるのでした、という話です。

この記事では以下の情報が得られます。
①BAKEという上場を控えた企業
②PEファンドとベンチャーキャピタルの違い

THE BAKE MAGAZINE

そもそもBAKEって? 何がそんなにスゴイの?

BAKEは国内外で50店舗を展開する洋菓子店です。創業3年で売上高36億円を達成し、急成長しているベンチャー企業です。今では、主力のチーズタルトが、世界中で毎日8万個売れているとか。

売上推移はこんな感じ。

創業1年目1億円
2年目10億円
3年目37億円
4年目90億円

※4年目は見込みです。

凄まじい成長っぷりですが、パッと見たところ、よくあるチーズタルトのお店です。どうしてこんなに人気があるのか。「ブランディングがメチャクチャ上手い」からです。

特にWeb(オウンドメディア)を活用した集客、ブランド作りは徹底されています。ホームページはこんな感じ。採用目的のこんなメディアも運用しています。ブランドページはこれです。

洋菓子業界で、ここまでWebに凝った会社があったでしょうか? いや、ないですよ。参考までに、ビアードパパゴディバです。ブランドの路線はあるにしろ、群を抜いている感じがします。

Webのスタイリッシュなイメージと、店舗のモダンな作りがベストマッチしています。

もちろん、商品開発・店舗づくりも秀逸。

BAKEはチーズタルトは冷やして食べる、という常識を覆してアツアツの状態で提供しています。更に、工房が直接出すところを見せるよう、バックヤードの仕切りをガラスにしました。この方式も人気が出た要因の一つです。

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商品を多角化せずに、一つに絞り込んでいるところも特徴的。それが経費削減へとつながっています。廃棄率は業界平均が5%ですが、BAKEはほぼゼロ。人件費の業界平均が売上の20%、BAKEはその半分。

その代わり、店舗デザインを出店場所によって変えるなど、ブランド磨きに注力しています。

尖らせた商品で人を引きつける戦略ですので、研究開発にも力をかけています。2016年に「OPEN LAB」をオープン。職人の腕に頼りがちな洋菓子を、定量的・科学的に作る試みを行っています。

チーズケーキを焼きたての状態で出す。このアイデアはまぁ普通です。作っているところをお客さんに見せる。それもまぁ(うどん屋界隈で)よくあります。この会社の成功要因は、やはり目に見えにくいブランディングに専念したことにあると思うのです。

方程式にするとこんな感じ。
(商品力+店舗づくり)✕ブランディング
※ブランド力を磨けば磨くほど、乗数的に売上を伸ばせるイメージ。

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