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販売権を鞍替え!カルピス、伊藤園による『エビアン』の販売権取得

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 ブランドをどのように育てていくか。しかも、自社が生み出したとはいえないないブランドをどう育てていくか。生みの親か、育ての親かーー。『エビアン』の販売終了の経緯は、そのことのむずかしさを滲ませているように思える。

 また、『エビアン』の販売終了後の展開についてカルピスは、「今後は『カルピス』ブランドを中心とした国内飲料事業、独自の乳酸菌と発酵技術を活かした国内と海外における健康・機能性食品事業、ならびにアジアを中心とした海外飲料事業の3つの事業分野に集中し、企業価値向上を目指していく」とした。

 2008年、『エビアン』の国内独占販売権を取得した伊藤園は、カルピスのブランド戦略と同様に、伊藤忠商事と共同で合弁会社、伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズを設立し、『エビアン』事業を推進する。合弁会社の出資比率は伊藤園が65%、伊藤忠商事が35%だった。

 伊藤園は「緑茶飲料や野菜飲料に次ぐ重要分野として、ミネラルウォーター事業を強化する」と意気込みを新たにした。その結果を示すように、2008年5月以降の『エビアン』の月次販売は、カルピスが独占販売していた同年3月以前に比べ前年同月比で倍増させている(数量ベース。伊藤園2009年4月期、第1四半期決算補足資料より)。

 その後、『エビアン』は順調に推移してきた。その大きな要因は、2500万人に迫る勢いの日本への外国人旅行者の増加、いわゆるインバウンド需要だろう。伊藤園としては750mlペットボトルをはじめ、500mlや330mlなどで個人需要もより取り込み、2016年時点での目標は460万ケース(前年比3%増)をめざしている。

 世界130か国で親しまれ、240年という長い歴史を持つ『エビアン』。その世界ブランドにとって、“世界(の人々)が日本にやってくる国内のインバウンド需要は、今度も相当な追い風になるはずだ。

文:M&A Online編集部

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