「森永ホールディングス」誕生へ 経営統合の効果は?

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 森永乳業<2264>と森永製菓<2201>が2018年4月をめどに経営統合を検討していることが明らかになった。2月24日付の日本経済新聞が報じ、両社は「経営統合に限らず様々な可能性について検討していることは事実」とのコメントを出した。実現すれば、明治ホールディングス<2269>に続く総合菓子・乳業メーカーが誕生する。会社側の正式発表に先立ち「森永ホールディングス」を統合効果を試算した。

【企業概要】乳業・製菓 過去にも合併分離の歴史

 森永乳業は1917年、乳製品の製造販売を事業目的とする日本煉乳株式会社として設立された。その後、森永製菓株式会社との合併分離を経て、1947年に現在の森永乳業株式会社が設立された。1954年に東京証券取引所に株式を上場。1967年に森永商事株式会社の乳製品販売部門を譲り受けた。

 現在(2016年3月期)は森永乳業、子会社56社および関連会社7社で構成され、市乳、乳製品、アイスクリーム等の食品の製 造販売を中心に、さらに飼料、プラント設備の設計施工、その他の事業活動を展開している。森永乳業(単体)の部門別売上高と主な製品は以下の通りである。

森永乳業(単体)の部門別売上高
部 門    売上高(億円)    主な製品
市乳 2067 森永あじわい便り、まきばの空、リプトンミルクティー、濃密ギリシャヨーグルトバルテノ、ビビダスヨーグルト
乳製品 965 森永E赤ちゃん、森永はぐくみ、6Pチーズ、フレッシュモッツァレラ
アイスクリーム 523 ピノ、MOW
その他 981 リプトンフルーツティー、大満足ごはん

2016年3月期の決算短信より作成

 森永製菓の前身は1899年、創業者の森永太一郎がアメリカから帰国し、東京・赤坂に設立した日本初の洋菓子製造工場「森永西洋菓子製造所」である。1910年に株式会社森永商店として設立。1912年に森永製菓株式会社に改称した。1920年に日本煉乳を合併し、1943年に森永食糧工業株式会社と改称。1949年に東京・大阪・名古屋証券取引所に株式を上場。乳業部門を分離して森永乳業に譲渡すると同時に森永製菓株式会社に再び社名を戻した。

 現在(2016年3月期)は森永製菓と子会社21社で構成され、事業は食料品製造、食料卸売、不動産及びサービス業などを営んでいる。主力の食料品製造事業の部門別売上高と主な製品は以下の通りである。

森永製菓(食料品製造事業)の部門別売上高
部 門  売上高(億円) 主な製品
菓子食品 1151 ハイチュウ、チョコボール、ダース、森永ビスケット、おっとっと、ミルクキャラメル、森永ココア
冷菓 323 チョコモナカジャンボ、バニラモナカジャンボ、パリパリバー、パキシエル、スプーンで食べる生チョコアイス
健康 249 ウィダーinゼリー、おいしいコラーゲンドリンク、

2016年3月期の決算短信より作成

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