居酒屋「九州熱中屋」や「わらやき屋」などを運営するDDホールディングス<3073>が、行使価額修正条項付新株予約権による資金調達を実施します。割当日は11月20日で、割当先はモルガン・スタンレーMUFG証券。合計で380万株が新規で発行されることになります。DDの株価は9月末の763円から10月末の633円まで17.0%下落しました。

DDはワラントで28億3,900万円を調達します。この資金をもとに退店や借入金の返済を行い、コロナ禍で毀損した組織の立て直し費用に充当します。

同時期に連結子会社のゼットン<3057>第三者割当増資を決議。酒類小売チェーンのカクヤス<7686>親会社であるSKYグループホールディングス(千代田区)参加の投資ファンドSKYグループインベストメントなどに51万1,900株を割り当てます。これによってDDの出資比率は41.92%から37.47%に低下し、連結子会社から持分法適用関連会社となります。本体の回復が急務のDDは、子会社への影響力を喪失しています。

この記事では以下の情報が得られます。

・DDがワラントに手を出してまで資金調達をした理由
・ゼットンを連結から外しても問題がないわけ
・DDが解決すべき本質的な経営課題

純損失84億円を計上するも債務超過は回避

フタマタ
DDの新業態「フタマタ」

DDは10月26日にこれまで未定としていた、2021年2月期の業績予想を発表しました。売上高は前期比55.0%減の258億円。純損失は84億円(前期は14億4,200万円の黒字)と予想しています。2020年8月末の段階で純資産額は22億4,100万円。上期の純損失額が55億8,400万円でしたので、下期は28億円程度の赤字を見込んでいることになります。

DDは自己資本の毀損を少しでも食い止めるため、ワラントによる資金調達に踏み切ったのです。今回の調達金額は28億円となり、DDは債務超過を回避しました。

DDは2021年2月期第2四半期の段階で発行可能株式総数が3,100万株を超えており、増資による資金調達枠にはまだ幅があります。M&Aを成長戦略としてきたDDは、今後も子会社の切り離しより増資で資本を厚くする選択が濃厚です。

ただし、子会社ののれん43億9,500万円という爆弾を抱えています。今期の業績予想には、のれんの減損損失は含まれていないと考えられます。これ以上の損失を計上するのはかなりの痛手。子会社の業績悪化に歯止めがかからず、減損が見え隠れした段階で売却が視野に入ると予想できます。