「洋菓子のヒロタ」を展開する21LADY<3346>が、2020年3月期に1億6700万円の債務超過となりました。2022年3月末までに債務超過を解消できない場合、上場廃止となります。新型コロナウイルスの感染拡大によって売上が減少、経常損失1億5500万円を計上しました。更に2億3600万円の減損損失も重なって純損失は4億700万円に膨らみました。

すでに今期第1四半期で金融機関から1億6000万円の借り入れをしており、立て直しに向けた資金の調達は完了しました。債務超過は比較的早く解消できそうです。しかしながら、リモートワークの推進などポストコロナと呼ばれる新たな消費形態へと経済が移行する中、百貨店や駅中などに出店する「洋菓子のヒロタ」は、ビジネスモデルの見直しや新事業の立ち上げなど、新たな局面へと立たされました。OEMの提供やM&Aを前提とする増資を検討しており、その動向に注目が集まっています。この記事では以下の情報が得られます。

・21LADYの業績
・現在のビジネスモデルと今後の展開
・新型コロナウイルスが与えた影響

不振のイルムス売却に成功もコロナで営業赤字に

インテリアのイルムスが足かせに(画像はイメージ Photo by PAKUTASO)

21LADYは2000年創業の会社。投資育成事業を主軸としており、経営支援などを行っています。2001年に経営破綻した洋菓子ヒロタのスポンサーとなりました。これまで、ダイエーが保有するハブ<3030>の株式を取得して一六堂(本社:東京都中央区)に売却したり、北欧雑貨や家具を扱うイルムスジャパン(本社:東京都港区)の株式を伊藤忠商事<8001>から買い取って経営コンサルのCloud(本社:東京都渋谷区)に譲渡するなど、活発な投資育成事業を手掛けてきました。

知名度の高い企業に投資をし、ブランド価値向上支援を実行して企業価値を高めることを得意としています。

華々しい投資活動とは裏腹に業績は今一つ冴えません。2019年3月期までの売上、利益に注目してください。売上は少しずつ減少し、損失も膨らんでいます。これはヒロタではなく、イルムスが原因です。この事業は売上が毎年10~25%減少し、損失を計上し続けていました。イルムスが会社全体の足を引っ張っていたのです。

■21LADY業績推移(百万円)

2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期
売上高 2,985 2,736 2,557 2,519 1,930
増減 - 8.3%減 6.5%減 1.5%減 23.4%減
経常利益(損失) △101 22 △2 △145 △155
純利益(損失)△88 △5 △23 △127 △407

有価証券報告書より

21LADYは2019年3月にイルムス事業をCloudに売却しました。企業価値向上を図ることができないままでの譲渡となりました。

■イルムス業績推移(百万円)

2016年2月期2017年2月期2018年2月期
売上高938828670
増減-11.7%減19.1%減
純利益(損失)△52△7△30

株式譲渡のお知らせより

イルムスは2019年3月期の売上高が前期比25%減の5億200万円まで縮小していました。更に営業損失を5100万円計上しています。ヒロタとの親和性が低いイルムスを売却できたことは、21LADYにとって幸運なことでした。同社は菓子事業に注力すべく、2018年7月に和菓子の「あわ家惣兵衛」を買収します。2019年3月期の菓子事業売上高は20億1700万円。営業利益が1900万円でした。この営業利益がイルムスに吸い取られていたわけです。2020年3月期は利益を出せる体制が整っていましたが、新型コロナウイルスがやってきました。

2020年3月期の売上高は前期事業セグメント比で4.3%減の19億3000万円。営業損失が5600万円となりました。非常事態宣言による店舗の休業や営業時間の短縮が業績を直撃しました。また、和菓子の繁忙期である卒業・入学イベントが軒並みキャンセルとなり、売上に大きく影響しました。