「山小屋」などのブランドでラーメン店を展開するワイエスフード<3358>が、9月30日上場廃止猶予期間入り銘柄に指定されました。4期連続で営業赤字を計上し、営業キャッシュ・フローもマイナスとなったため。2022年3月末までに、営業利益または営業キャッシュ・フローのマイナスを解消できなかった場合は上場廃止となります。

ワイエスフードは恒常的な赤字体質が続いていました。2016年に新たな収益源として美容業界に進出。100%子会社を立ち上げましたが、債務超過状態が続いて2019年に子会社の株式を譲渡していました。本業とは異なる事業で活路を見出そうと苦戦していたところ、新型コロナウイルスという外食最大の猛威に襲われることとなったのです。

この経営危機を乗り切ることができるのでしょうか。この記事では以下の情報が得られます。

・ワイエスフードの業績と経営状態
・恒常的な赤字解消に向けた事業展開

GC注記解消後にやってきた上場廃止危機

歌舞伎町
繁華街は人が戻り始めている(画像はイメージ Photo by PAKUTASO)

ワイエスフードは2020年3月期の決算で継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる、GC注記が付いていました。5期連続の経常損失、4期連続の営業キャッシュ・フローのマイナスを計上したためです。それに加えて、2020年3月末時点での現金及び預金残高は1億2,000万円ほどで総資産に占める割合は4.4%。同時期の競合他社の力の源ホールディングス<3561>の24.4%、丸千代山岡家<3399>の16.8%などと比較して、極めて低い水準まで落ちていました。

ワイエスフードはGC注記解消に向け、金融機関から2億8,000万円を調達。更に不動産評価の高い清澄白河の店舗(土地・建物)を売却し、譲渡益1億2,200万円を計上しています。また、霞投資事業組合(港区)に対して第三者割当増資を実施して3億5,200万円を調達し、資本に厚みもつけました。矢継ぎ早の取り組みにより、2020年9月にGC注記は解消されています。

ワイエスフードは目先の経営危機を乗り越えることができましたが、これからが本当の山場。赤字体質の解消という根本的な問題に対処しなければなりません。新型コロナウイルス感染拡大前から売上高の減少が止まらない状態となっており、これが一番の経営課題です。

■業績推移(百万円)


2018年3月期2019年3月期2020年3月期
売上高1,6911,6021,484
営業利益△32△71△115
純利益△296△76△357

※決算説明資料より筆者作成

売上減少の要因はFC加盟店の獲得ができないため。ワイエスフードは総店舗数148(2020年3月末)のうち、直営はわずか5店舗。101店舗がFCで、海外が40店舗、その他が2店舗となっています。FCへの依存度が極めて高いのです。2019年3月末時点でFC加盟店は101となっており、1年経過しても数字は変化していません。ワイエスフードはFC店への食材提供などで売上が得られますが、パート・アルバイトの人件費高で営業時間の短縮をする加盟店が続出し、減収が続いています。加盟店も増加しておらず、ロイヤリティも得ることができない状態なのです。

新型コロナウイルスによる営業自粛や時短営業よって更なる危機に見舞われることは必至です。