2020年2月29日に安楽亭<7562>の傘下に入ったアークミール(さいたま市)が運営する「ステーキのどん」と「フォルクス」が攻勢をかけている。

ステーキのどんは6月19日に主力メニューである、どんハンバーグと激アツステーキをリニューアルするとともに、テイクアウトの注文をスマートフォンやパソコンで行えるようにした。フォルクスも5月後半にテイクアウトメニューを拡充し、テイクアウトの注文をネットで受け付ける体制を整えた。

安楽亭の店舗は、ステーキのどん、フォルクスなど154 店舗が加わり、一気に373店舗となった。同社は食材の仕入れやメニュー開発、店舗運営などでシナジー(相乗効果)を生み出すとしており、今回の新メニューやネット活用の取り組みなど今後、連携した動きが活発化するものと思われる。 

安楽亭が吉野家ホールディングス<9861>子会社のアークミールの買収を発表したのは新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年12月26日。予想外のコロナ禍の中、狙い通りの買収効果を上げることができるだろうか。 

シナジー創出は待ったなし 

ステーキのどんは、どんハンバーグをこれまでより、ふっくらとしジューシーなハンバーグに仕上げたほか、激アツステーキでは使用する肉を米国産に変更し、さらに部位を厳選することにより、赤身と脂身のバランスの良い旨みが味わえるステーキに変更した。 

フォルクスは9種類のランチ限定メニューや9種類の弁当メニュー、定番のステーキやハンバーグなどのテイクアウトメニューを用意した。 

テイクアウトの注文サイトは安楽亭、ステーキのどん、フォルクスともに同じスタイルを採用。仕事帰りや外出先、自宅などから受取店舗と受取時間を指定して注文できる。 

安楽亭の2020年3月期は、子会社化したアークミールの影響については貸借対照表のみ連結対象として反映させており、売上高や利益がフルに反映されるのは2021年3月期になる。

その2021年3月期は新型コロナウイルス感染症の影響を合理的に算定することが困難として、業績予想を未定としている。 

店舗数の急増に伴う増収効果は間違いなくあるものの、新型コロナウイルスによる来店客数の減少をテイクアウトなどでどの程度埋められるのか。さらにコロナ禍の中で、食材の仕入れや店舗オペレーションなどで、どれほどのシナジーを発揮できるのか。 

アークミールの2019年2月期は、売上高が202億500万円で、営業損益は9億3000万円、経常損益は9億4700万円、当期損益は21億1600万円のいずれも赤字だった。 

一方の安楽亭の2020年3月期は売上高が153億4400万円、営業利益、経常利益はともに1億9000万円、当期損益は4億7000万円の赤字だった。当期損益の赤字は2期連続だ。 

子会社化によるシナジーの創出は待ったなしの状況といえそうだ。

【安楽亭の業績推移】単位:億円

 2018年3月期2019年3月期2020年3月期
売上高169.47163.42153.44
営業損益3.481.851.9
経常損益3.21.261.9
当期損益1.49△1.03△4.7

【アークミールの業績推移】単位:億円

 2017年2月期 2018年2月期 2019年2月期
売上高227.54224.06202.05
営業損益1.822.12 △9.3
経常損益1.482.29△9.47
当期損益△3.06 △1.4 △21.16

文:M&A Online編集部