「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」を運営する物語コーポレーション<3097>が、コロナ禍でも堅調な足どりをみせています。2020年6月期の売上高は前期比1.6%減の579億6000万円。純利益は前期比84.4%減となったものの、4億5600万円の黒字となりました。2021年6月期の売上高は19.2%増の691億600万円、純利益は409.4%増の23億2700万円と予想しています。

中でも焼肉業態の好調ぶりが顕著。7月の既存店売上高は110.1%となり、早くも前年を大きく超えました。ロードサイド店を主軸とした地域密着型経営、アプリを活用したリピート利用の促進、PDCAによる成果創出主義。物語コーポレーションの取り組みは、ポストコロナの飲食店経営のヒントとなりそうです。

この記事では以下の情報が得られます。

・物語コーポレーションの概要
・ポストコロナの外食トレンド
・「焼肉きんぐ」の強さの秘訣

27%まで低下した売上が2か月後に100%超え

焼肉
画像はイメージ(Photo by PAKUTASO)

物語コーポレーションは「焼肉きんぐ」を全国で241店舗(内FC94店舗)、「熟成焼肉肉源」などの別ブランド焼肉店を11店舗(内FC5店舗)運営しています。その他「丸源ラーメン」、「お好み焼き本舗」、「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵」なども展開しています。業態は企業買収ではなく、自社で開発しています。

地方都市のロードサイド型を得意としており、本社を構える愛知県の店舗が最多です。

緊急事態宣言の営業自粛などにより、主力の焼肉業態の売上高は前年比27.0%まで落ち込みましたが、6月には102.4%まで回復しました。7月は110.1%と驚異的な数字を叩き出します。日本フードサービス協会によると、全国の焼肉店の7月売上高は95.3%。焼肉業態は全体的に戻りが早かったものの、物語コーポレーションの強さは際立っています。

【物語コーポレーション焼肉業態と全国平均の売上高前年比較】

4月5月6月7月
物語27.0%58.5%102.4%110.1%
全国平均30.9%50.9%88.7%95.3%

※物語コーポレーションの月次報告と日本フードサービス協会資料より筆者作成

物語コーポレーションは2021年6月期上半期の売上予想を3.0%増の324億7500万円としていますが、通期では19.2%増の691億600万円と強気な数字を出しています。新型コロナウイルスの影響を限定的とみているのでしょう。月次売上をみればそれも納得できます。

焼肉のマーケットが全般的に盛り上がりを見せるなか、早々と頭一つ抜けた「焼肉きんぐ」の強さはどこにあるのでしょうか。