2016年にマイナス成長に陥っていた炭素繊維に薄日が差し始めた。大口の需要先である航空機業界が増産基調にあることや自動車向けが巨大な市場に育つとの予測があるためだ。ゴルフクラブやテニスラケット、釣り竿などのレジャー分野や、高速道路、鉄道橋などの補強材分野などの需要は底堅く、自動車向けに海外の炭素繊維メーカーを買収する動きも現れてきた。こうした状況を踏まえると2018年は節目の年となるかも知れない。

航空機の増産計画を好感

 需要の下支えをするのが航空機産業。米国の航空機メーカー・ボーイングが増産計画を打ち出しており、これに伴って炭素繊維の需要が拡大することは確実で、大きなプラス要因となる。車体の軽量化に取り組む自動車メーカーも炭素繊維強化プラスチックの採用に前向きで、炭素繊維メーカーの期待は大きい。

炭素繊維フィラメント(炭素繊維協会提供)

 炭素繊維協会によると、炭素繊維の出荷量は2013年以降増加を続けていたが2016年に4年ぶりに前年実績を割り込み、2.6%のマイナスとなっていた。2017年の実績については2018年6月ごろに正確な数字が固まるものの大きく改善する要因は見当たらない。これが航空機の増産計画や自動車業界での炭素繊維部品の採用意欲の高まりなどに支えられ2018年後半には反転するとの予測が広まってきた。

炭素繊維メーカーの増産も

 こうした状況を裏付けるかのように炭素繊維メーカーの生産増強計画も表面化してきた。東レは<3402>は2017年に炭素繊維の減産を打ち切った。米工場の稼働にも前向きだ。帝人<3401>は2020年稼働を目標に、米国に炭素繊維の新工場を建設。航空機や自動車向けに炭素繊維を供給する。三菱ケミカルも炭素繊維工場を建設する。いずれも今後の需要の増加を見越したものだ。