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[ビルメンテナンス業のM&A] 国内の大手集約が進行

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国内の大手集約型M&A

J・フロントリテイリング傘下の白青舎は、2015年12月にイオン子会社のビルメンテナンス会社であるイオンディライト<9787>TOBを受け入れ、イオングループの傘下に入った。さらなる営業力強化やコスト削減、品質強化、事業開発を図る。今後の成長機会が限定的な市場において、顧客ニーズは多様化・高度化しており、IT等の高度な技術・ノウハウ、業務標準化、コンサルティング営業や品質保証等、知的資本を集約させる必要がある。これらの高度な技術・ノウハウ・人材の獲得には多額の投資が必要だが、業界内で多数を占める中小企業ではこのような対応は困難であり、イオンディライトは業界内で「国内の大手集約」が進行すると考えているようだ。

京都を中心に関西圏に強みを持つ年商21億円の協栄ビル管理は、2016年8月、同業のハリマビステム<9780>に株式を売却、傘下に入った。「国内の大手集約」の典型例である。独自経営は魅惑的だが、安定的な経営基盤の確立、業務の効率化、新規営業での営業力の強化という経営目的の達成を優先させる将来を見据えた英断である。

集中と選択型M&A

またイオンディライトは、2012年にBPO事業を展開するジェネラル・サービシーズを買収し「総合サービスの提供」に磨きをかけ、翌年にも中国企業の武漢小竹物業管理を買収し、「海外展開」を加速させている。一方で、2016年1月には本業ではないマンション管理事業を穴吹ハウジングサービスに譲渡した。大手だからといって買収に限らず、事業を売却し、「選択と集中」を行う賢いM&A戦略をとっている。

海外進出型M&A

ビル管理大手の日本ハウズイング<4781>は、2016年3月にベトナムの最大手清掃企業を買収、さらに2016年12月にシンガポールの建築設備のエンジニアリング及びファシリティマネジメント企業の買収を発表するなど、アジア市場の開拓に積極的である。業界で生き残るためには、「海外展開」を考えなければならない。

M&A情報誌「SMART 2018年夏号」の記事を基に再構成しております

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