【イチネン】コロナ禍の中、着実に進むM&A戦略

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自動車リースはイチネンホールディングスの主力事業(写真はイメージです)

農業を将来の事業の柱に

直近のM&Aを見てみると、2020年に浅間製作所から譲り受けた遊技機器用部品の製造、販売事業は、浅間製作所が持つ遊技機メーカーとの多様な取引関係や高度な品質管理のノウハウを活用することで、合成樹脂事業の規模拡大と競争力強化が実現でき、遊技機部品の製造を手がける子会社のイチネンジコー(東京都港区)との相乗効果が見込めるという。

また2019年にアクセスから取得した自動車部品付属品卸売事業は、イチネンが展開する機械工具販売事業との親和性が高く、仕入、販売の両面で高い相乗効果が見込めるという。

さらに2018年に傘下に収めた、フォークリフト用フォークや自動車部品の製造を手がけるトヨシマとは、イチネンの機械工具販売事業との相乗効果が見込まれるほか、トヨシマのフォークアーム製造事業はニッチ市場で市場占有率が高く、将来の収益拡大につながるという。いずれの案件もグループ内での相乗効果が見込めるものばかりで、M&Aの戦略は明確だ。

同社は将来の事業の柱として農業にスポットを当てている。2016年にイチネン農園(大阪市)とイチネン高知日高村農園(高知県日高村)を設立し、農業事業に参入した。

農畜産物の生産をはじめ、農畜産物を原材料とする食料品の製造や農業生産に必要な資材の製造などを事業目標に掲げており、農業を通じて雇用を促進させ、地域コミュニティーと連携し、地域の活性化を目指すという。

この方針に沿って、両農園ともミニトマト「アイコ」の生産に力を入れているが、2021年3月期はイチネン農園の当期損失は1979万円、イチネン高知日高村農園の当期損失は1億2954万円に達しており、利益の出る状況には至っていない。

事業の拡大、採算性の向上などの面で、今後は農業の分野でのM&Aの可能性もありそうだ。

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