eスポーツに参入するゲーム開発の「マーベラス」戦略は吉とでるのか

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写真はイメージです

「シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK」などのオンラインゲームや、「天穂のサクナヒメ」などの家庭用ゲームを手がけるマーベラス<7844>は2021年10月1日に、eスポーツ運営とWebサイト制作などのグルーブシンク(東京都新宿区)を買収した。拡大が期待されるeスポーツ分野への事業展開が狙いだ。

グルーブシンクは数多くのeスポーツの受託運営や、施設運用を15年以上手がけている。マーベラスは同社の買収を機に、保有する知的財産の活用や、業務提携先との連携を深めるという。

マーベラスは2021年8月末にレコーディングスタジオの運営や音楽原盤制作などを行っている子会社のデルファイサウンド(東京都渋谷区)を売却し、グループの事業構造の見直しを進めている。マーベラスとはどのような会社なのか。

巣ごもり需要で大幅増益

マーベラスはオンラインゲームや家庭用ゲームの開発のほかに、音楽・映像コンテンツ制作、劇場演芸の興行などを事業としている。

2021年3月期の売上高は前年度比0.6%増の255億2000万円と微増にとどまったものの、営業利益は同80.2%増の44億1400万円、経常利益は同82.2%増の45億5800万円、当期利益は同81.6%増の32億6500万円と大幅な増益となった。

緊急事態宣言の影響で興行収入が減少したが、巣ごもり需要で家庭用ゲームや動画配信が好調に推移したため利益が大きく膨らんだ。

この傾向は新しい期になっても続いており、2022年3月期第1四半期の営業利益、経常利益は前年同期比60%以上、当期利益は同80%以上の増益を達成した。

2022年3月期の通期の業績については、新型コロナウイルスの影響を合理的に判断できないことを理由に予想を未定としているが、第1四半期の状況を見る限り好業績が見込めそうだ。

子会社化したグルーブシンクの2020年12月期は、売上高2億6783万円(前年度比43.0%減)、営業利益7930万円(同2.55倍)、経常利益8146万円(同2.54倍)、当期利益5314万円(同2.41倍)だった。

同社の業績が今後マーベラスの業績に加わることになるが、2022年3月期の業績に与える影響は軽微としている。マーベラスが保有する知的財産をいかに活用するかが、今後の業績を左右することになりそうだ。

8月に売却したデルファイサウンドについては、詳細を明らかにしていないが、グルーブシンクと同様に2022年3月期の業績に与える影響は軽微としている。

レコーディングスタジオの運営や音楽原盤制作などの事業を切り離し、eスポーツを取り込むマーベラスの戦略は吉とでるだろうか。

【マーベラスの業績推移】

2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期第1四半期
売上高 253.65億円(5.3%減 255.2億円(0.6%増) 64.73億円(38.6%増)
営業利益 24.49億円(48%減 44.14億円(80.2%増) 14.64億円(64.6%増)
経常利益 25.02億円(47.8%減 45.58億円(82.2%増) 14.74億円(65.5%増)
当期利益 17.97億円(46.4%減 32.65億円(81.6%増) 10.74億円(81.1%増)

文:M&A Online編集部

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