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【ヒノキヤグループ】M&Aの「魔術」で下請け工務店が一部上場

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同社ニュースリリースより

ハードと運営の相乗効果で「住宅冬の時代」に立ち向かう

ヒノキヤグループには、もっと大きな夢がある。建築というハードとオペレーション(施設運営)というソフトの両面を担うことにより、競争力のある提案で相乗効果を創出する「ワンストップソリューションカンパニー」の実現だ。そのため介護・保育事業にも新たに参入した。2016年4月に初開設した超軽費シニアホーム「桧家リビング久喜」(埼玉県久喜市)がそれ。施設の特長は経営理念の「最高品質と最低価格で社会に貢献」に則った月額8万7000円からという、特別養護老人ホーム(特養)並みの圧倒的な低料金だ。

桧家リビング久喜
超軽費シニアホーム第1号の「桧家リビング久喜」(同社ニュースリリースより)

「特養はどの地域でも入居の順番待ちがあり、希望してもなかなか入居できないのが現状だ。国もコストのかかる特養は作らずに、民間の有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅、在宅での介護を推進している」(近藤昭ヒノキヤグループ社長)ことから、介護事業に大きなビジネスチャンスを見い出した。同社は当面、久喜市周辺の半径5キロ内に五つの桧家リビングを展開する計画で、低コストの介護事業を展開していく。

桧家ホームで提供する介護事業もまたM&Aで実現した。2013年10月に32.5%の資本参加をしたリビングケア(横浜市西区)が神奈川県を中心に運営している、低料金のサービス付き高齢者住宅「唯の家」と「唯の郷」が事業モデル。ヒノキヤグループが目を着けたのは、リビングケアの運営する施設。いずれも木造2階建てで、部屋数は10~15室程度と規模が小さい。

わざわざ木造にしているのは建築費を低く抑えて入居者の経済的負担を抑えるため。きめ細やかな介護サービスを提供するためのスタッフの人数や動線を考えると、「2階建て10~15室」の規模が最適というのがリビングケアの持つノウハウから分かった。この規模の木造施設はヒノキヤグループが最も得意とするところ。ヒノキヤグループのハードと、リビングケアのオペレーションを組み合わせれば、大きな相乗効果を期待できると同社への出資を決めた。

少子高齢化や人口減少、平均所得の低迷など、住宅産業を取り巻く環境は劇的に変化している。そのような環境の中でも「常にお客様目線で物事を考え、経営理念に沿った事業を行い、多様化するお客様のニーズにしっかりと対応できる体制をつくる」と、近藤社長はワンストップソリューションカンパニーに向けた意気込みを語る。住宅メーカーの枠組みを超えたヒノキヤグループの今後の事業展開とM&Aに注目したい。

M&A Online編集部

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