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【ユニ・チャーム】大型M&Aで“アジア制覇”に一歩前進か

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紙おむつを筆頭に、アジアの主要国でトップクラスを誇る

ユニ・チャームの海外展開は1984年に台湾に現地法人を設立したことから始まる。国内市場の成熟化に備え、東南アジアや中国、韓国などに相次いで進出した。展開エリアの拡大にあたっては直接参入と技術供与の二つのビジネスモデルを使い分けている。

アジア、中東、北アフリカ、南米など成長期にある地域では積極的に経営資源を投入し、自社生産と販売により事業を展開している。一方、北米や欧州など市場規模が大きいものの成熟化が進む地域では技術供与することによって必要最小限の投資で安定して収益を確保するのが基本スタンスだ。

なかでも最重点に位置づけるのが成長著しいアジア。主要進出国の多くでトップ級の商品を持つ。例えば、「ムーニー」「マミーポコ」の2ブランドを展開するベビー用紙おむつ。タイ、インドネシア、ベトナムで首位、インド、サウジアラビアで2位、中国で4位のシェアという。「ソフィー」ブランドで知られる生理用品は、タイ、インドネシア、ベトナムで首位に立ち、中国では2位につける。

その強さの秘密は何か。国によって異なる生活スタイルや文化、嗜好を徹底的にリサーチし、現地のニーズに合わせた商品開発を行っていることが挙げられる。

新興国の多くは衛生環境が整っていない。また、低所得のために紙おむつや生理用品が購入できない人々が多数存在する。このため、価格を抑えることを最優先し、基本的機能のみを備えた商品を提供するなど現地の生活スタイルに的確に対応することで、各国の高い支持を獲得している。

女性の自立支援にも力を入れている。インドやインドネシア、ミャンマーで実施しているのが初潮教育プログラム。すでに25万人を超える女子生徒が参加している。「生理だから学校に行けない、をなくす」が合言葉だ。

生理に対する教育や理解が進んでおらず、生理用品の普及率も低いことから、生理中は学校を休む生徒が少なくない。生理中も安心して学業に取り組めるよう、生理中の適切なケアを伝えている。こうした地道な活動がビジネスに一役買っているのは間違いない。

業績(単位億円) 16/12期 17/12期
売上高 6,046 6,416
<地域別>
・日本 2,535 2,660
・アジア 2,543 2,753
・その他(※) 967 1,003
海外売上比率 57.7 % 58.9%
営業利益 791 863

※主な地域は米国、サウジアラビア、ブラジル、オランダ

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