ユニ・チャームの創業者で取締役の高原慶一朗氏が10月初め87歳で亡くなった。最初に建材会社を立ち上げた同氏がなぜ生理用品に転進したのか。
50数年前、中小企業経営者による視察団の一員として訪れた米国のスーパーで生理用品が山積みされて売られている光景を目にしたのがきっかけ。その頃、日本では生理用品は薬局の奥で人目を気にしながら売られていた。彼我の違いを目の当たりにし「日本でも生理用品をつくろう」と決意したのが同社の原点だ。
生理用品の成功に紙おむつが続き、同社のサクセスストリーがつづられるようになった。現社長の高原豪久氏は慶一朗氏の長男で、2001年に2代目社長のバトンを引き継いだ。豪久氏が社長に就任時、500億円程度だった海外売上高はアジアを主体に8倍近くに膨らみ、海外売上高比率も20%から60%に高まり、押しも押されないグローバル企業に飛躍を遂げた。
ただ、世界的には米プロクター&ギャンブルといった巨人が立ちはだかり、国内勢では花王という強豪がいる。主戦場のアジアをどう制するのか、新たなM&Aを含めて次の一手が注目される。
文:M&A Online編集部
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