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M&Aは加速する?コロナウイルス終息後の居酒屋産業はこう変わる

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NATTY SWANKYの「肉汁餃子製作所 ダンダダン酒場」は非常事態宣言時も時間を短縮して営業を継続

3月の既存店売上70%以下の企業は今後も苦戦する?

居酒屋の売上は一般客と宴会の2つの要素で構成されています。

居酒屋の出店形態も大きく2つに分かれています。路面店と空中階(地下)です。路面店は目につきやすいことから、通りすがりの客を引き寄せることができます。一般客とリピーターを獲得しやすく、安定的かつ繁盛店となりやすい傾向があります。一方、家賃は割高です。固定費が高いので損益分岐点が高いハイリスクハイリターンモデルです。

空中階は人の目につきにくいため、チラシやWebを駆使して一般客や宴会客を引き込みます。条件にもよりますが、家賃は路面店の半分ほどと割安です。損益分岐点が低いのでローリスクといえます。単価が高い宴会を安定的に獲得できれば、ハイリターンとなります。ただし、プロモーション費用の算定など、経営の難易度が極めて高くなります。

この出店形態の違いによる業績の差は、2020年3月の売上で如実にあらわれました。3月は歓送迎会シーズン。12月に次いで宴会が多い時期です。この時期に落ち込みが激しかった企業は空中階が多く、宴会依存度が高いと考えられます。すなわち、繁忙期の落ち込みも激しく、中長期的な大苦戦が予想されます。

【2020年3月既存店月次売上】

企業 ブランド 売上 客数 客単価
串カツ田中 串カツ田中 77.4 74.1 104.5
一家ダイニング 博多劇場 75.5 77.5 97.4
こだわりもん一家 51.2 51.5 99.4
NTTY SWANKY ダンダダン酒場 74.7 72.4 103.2
DDホールディングス わらやき屋、九州熱中屋など 65.0 67.5 96.3
ワタミ 鳥メロ、ミライザカなど 59.6 60.6 98.4
エー・ピーカンパニー 塚田農場 58.8 57.9 102.0
チムニー はなの舞 50.1 53.4 93.8

ワタミ<7522>、エー・ピーカンパニー<3175>、チムニー<3178>は60%以下と落ち込みが顕著です。チムニーの下落幅が他社と比較して大きいのは、インバウンドの依存度も高かったためです。串カツ田中<3547>、NATTY SWANKY<7674>など路面店中心の企業は70%以上で、コロナの影響は比較的軽くなっています。わかりやすく差が出ているのが、一家ダイニング<9266>。75.5%の博多劇場は路面店が多くなっていますが、51.2%のこだわりもん一家は空中階が中心です。

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