Q 三菱自動車が日産を差し置いてルノーに接近する可能性はあるのか?
A たとえば経営統合。日産はルノーとの経営統合をなんとしても避けたいが、三菱自動車は違う。日産は自社単独でも生き残る可能性はあるが、三菱自動車は厳しい。さりとて2018年の世界販売台数が121万8897台と規模が小さい同社だけに、新たな再編相手もそう簡単には見つからないだろう。三菱自動車としては、ルノーと経営統合ができるのであれば御の字だ。
ルノーが三菱自動車と経営統合するとなれば、「日産とのセット」以外は考えにくい。ルノーにとって三菱自動車は魅力的なパートナーではないからだ。ルノーと日産の経営統合が「ご破算」となれば、3社連合は空中分解し三菱自動車は「弱肉強食」の世界自動車市場に放り出されてしまう。三菱自動車が社運をかけてルノー・日産の経営統合に協力する可能性は十分にある。
Q スナール会長は共同記者会見で経営統合については何ら言及しなかったが…。
A スナール会長は「それは今日のポイントではない」と回答を避けただけで、「経営統合など考えていない」とも「断念した」とも言わなかったし、ほのめかしすらしなかった。日産が強いアレルギー反応を示す「経営統合」という言葉は避けながらも、新組織の立ち上げは「(連合の関係を)不可逆にする意思を強く示している」と発言している。やはりルノーにとって、日産との経営統合は既定路線なのだ。